京都最古の花街の記憶
西本願寺の西側、「島原」と呼ばれる界隈は京都で最も古い花街として知られており、その歴史は豊臣秀吉の時代にまでさかのぼります。
和歌や俳諧に秀でた一流の芸妓を多数輩出した島原は、江戸時代には京都文化を担うサロン的役割も果たし、幕末には西郷隆盛や新撰組の面々が闊歩していたと伝えられています。
築250年揚屋を改装して造られた「きんせ旅館」のすぐ先に、1軒のカフェがひっそりと優しい佇まいを見せていました。
築150年の町家を改装
ヒュッゲは150年ほど前に建てられた町家をリノベーションして誕生したカフェ。奥に細長い典型的な町家の造りで、つきあたりの坪庭からやわらかな光が射しこみます。
三和土の間は、大小の古いテーブルが置かれたカフェスペース。靴を脱いであがる奥の間は、骨董のうつわや雑貨が並ぶ販売スペースです。どちらも時を経た建物ならではの風情に満ちていて美しい。
甘さ控えめのケーキと「王様のブレンド」を味わいながら、建物の来歴についてうかがいました。次ページでどうぞ。