どんな道でも超絶の乗りやすさと安定感
乗り心地は、AMGらしく、ぎっしり肉身のつまった、割合とハードだが弾力性のある腰重フィールで、全長5m超えながら、実に“思い通りに動く”感覚があって、どんな道でも超絶の乗りやすさと安定感を誇っている。
ひとたびアクセルペダルを踏み込んだときの、爆発的でかつ制御の効いた加速は、天下一品。繰り返し楽しむのは野暮の極みだけれども、平穏なクルージングの最中にふとその苛烈さを思い出し、全開加速を楽しみたい誘惑に何度もかられてしまった。
この優美な内外装をしっとり楽しむというのであれば、S550でもう十二分ハイエンドである。S63やS65は、庶民感覚からすると屋上屋を重ねるようなもの。Sクーペというクルマのエレガントな本質は、ベース(といっても1724万円!)グレードで既に100%発揮されていると言っていい。もっとも、それって、AMGモデルをラインナップする全てのクラスに言えることかも知れないが。
6つのレーダーセンサーとステレオマルチパーパスカメラを用いたレーダーセーフティパッケージを標準装備。配光モードを自動で切り替えるLEDインテリジェントライトシステムを全車に、AMGモデルにはナイトビューアシストプラスも備える