毎年4月に開催される国際家具見本市「ミラノサローネ」。ロー・フィエラの展示会場をはじめとして、ミラノ市内の各所でもプレゼンテーション展示が行われ、街中がデザインムードで満たされます。その中から、私たちにとってお馴染のイケアが提案する10年後のキッチンをご紹介します

イケアが提案する未来のキッチン

家具小売り最大手IKEA(イケア)は、すでに私たちにとっても広く知られたショップですが、店舗の立地は郊外というのが各国共通のこと。そのイケアが「IKEAtemporary」として、ミラノ市内(Via Vigervano 18)にオープンしています。
IKEA TEMPORARY MILAN

開店は2015年4月10日から9月30日まで。1,400平米の2層店舗には、売れ筋の商品とレストラン、キッチンスタジオでのイベントなどお楽しみがいっぱい。FUORISALONE IKEAtemporaryの店舗

特に注目したいのが、キッチンに焦点をあてたプロジェクトです。2013年からイケアが取り組んでいるのは、10年後の2025年におけるコンセプトキッチン。その研究開発にあたって、デザインコンサルタント会社として有名なIDEOとスウェーデンのルンド大学、オランダのアイントホーフェン工科大学の学生とコラボレーションしています。
IKEAのコンセプトキッチン

見た目には収納と作業台のあるシプルなキッチン。使う道具や食材が少なくなれば、コンパクトに。今後ますます貴重な資源となる、水をろ過して再利用する仕組みもある。FUORISALONE IKEA Temporary会場での展示

献立を考えるとき、調理法を知りたいときにはレシピサイトで調べる。その習慣を家電に関連付けると、オーブンレンジにレシピデータを取り込んで調理するといった、新しいスタイルが生まれます。さらに発展させると、調理台で材料をスキャンして、レシピはもちろんのこと、カロリーや塩分の計算までできたら、健康志向のライフスタイルにとってはありがたい装置です。
イケアのシステムキッチン

スキャン機能をもった作業台として、情報と一体化したガラス技術が使えるのでは?そんな連想をかきたてる刺激的な提案。上:鮮度保持機能をもつ収納容器の説明パネル 下:食品スキャン機能の説明用テーブル FUORISALONE IKEA Temporary会場での展示

普及し始めているドローンの安全性が確保されれば、新鮮な食材を毎日手に入れやすくなります。そうなれば、その日に使い切って翌日仕入れるようになるので、食材をストックするためのスペースは必要ありません。朝に調達した刺身や肉などの鮮度を保つには、管理機能をもった小さな収納容器に入れておけば、冷蔵庫自体が不要になるというわけです。

今から10年前に、iPhoneのようなスマートフォンが普及することを予想できたでしょうか。未来と言っても、IT技術は開発スピードが速いので、実現する日が近いはず。デザインとITが私たちの暮らしをどう変えていくのか?イケアの研究開発を含めて、今後の動向から目が離せません。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。