土佐しっくいと水切瓦の建物が特徴的
高知市内を走る路面電車に揺られて、遠くからでも目を引く蔵のような建物が高知県立美術館です。四国南部に位置する高知県は、台風の通り道。そのため「土佐しっくい」と「水切瓦」という、地元でつかわれる素材で建てられています。高知県立美術館外観
高知県立美術館で見られるのは、絵画や彫刻などのいわゆる「美術」だけではありません。館長みずから海外へ出掛けてカンパニーを招へいするというダンス公演や担当者選りすぐりの映画作品上映も行い、名実ともに芸術発信の施設なのです。しかも年末年始以外、年中無休!
世界有数の作品数を誇るシャガールなどコレクションが充実
どの美術館も、「コレクション」と呼ばれる作品所蔵をしています。高知県立美術館のコレクションは、近現代の美術作品が多く揃います。中でも、20世紀前半にパリで活躍したマルク・シャガールの作品は、約1,200点という国際的に注目すべき数を誇っています。しかも故郷ロシア・ヴィテプスクを描いた初期作品、1940年代までの全盛期に制作した油彩画など、貴重なものばかり。
石元泰博展示室
また、両親が高知県出身の石元泰博は、生まれた地であり写真を学んだアメリカ、桂離宮や伊勢神宮の建築写真などを撮ったことで知られる写真家。アメリカ・シカゴでモダニズムと呼ばれる形式の写真を学んだ石元は、国内外で活躍してきました。2012年に亡くなって以降、石元のプリント約35,000枚やフィルム約15万枚、カメラなどを収蔵し、高知県立美術館は「石元泰博フォトセンター」、「石元泰博展示室」をつくり、石元作品を伝えると同時に整理・研究を行っています。