アキュラホームが立ち上げた高級住宅ブランド
で、本題に移る前にこの記事から取り入れる新たな試みについてご説明します。1ページ目に概要を説明し、2ページ目では写真を大きく使い、ポイントを詳しく説明するというスタイルを取り入れます。これまでにも写真を一つの記事に4~5点ほど使っていたのですが、「それでは十分に伝わらないかな」と思うからです。今後、このスタイルでも記事を書いていきます。
さて、アキュラホームは「1000万円台からの住まいづくり」をコンセプトに、これまで比較的低価格、適正価格の住まいづくりを得意としてきたハウスメーカーです。
そのアキュラホームが新しいブランド「AQレジデンス」を立ち上げ、高級住宅分野への取り組みを始めました。モデルハウスが瀬田住宅展示場(東京都世田谷区)にあり、私は先日、じっくりと見学する機会に恵まれました。
とはいえ、世間的にはローコストハウスメーカーという見方をされているアキュラホーム。「高級住宅といってもたかがしれているだろう」というのが、当初の私の見方でした。
しかし、その見方は良い意味で裏切られました。詳しいことは後述しますが、アキュラホームを見る目が変わったといって良いでしょう。設計やデザインはもちろん、細部にまでしっかりとこだわった跡がみられる、見応えのある建物でした。
「何でもできますよ」が実はやっかい
わかりやすい例で説明しましょう。モデルハウスなどで出会う営業担当者の中には、「当社では何でもできます(皆さんの要望に何でも応えます、という意味)」という人がいます。ただ、こういうのは本当はやっかい。実は、思ったほど皆さんの要望に応えてくれないケースの方が多いのです。例えば、ハウスメーカーには工法などそれぞれ得意な手法があり、それがそれぞれ個性なのですが、その個性の中で「何でもできますよ」が一般的なのです。
今回のモデルハウスは、アキュラホームの建築手法を一旦離れ、左官(壁を手塗りする職人)などに、著名かつ数多くの実績がある人物を起用するなどして、それにより細部にまでこだわった建物が実現していました。
もっとわかりやすく説明するなら、そうした職人さんを起用することだって本来は大変なことなのです。今回、起用された職人さんたちはいずれも国の重要文化財を手がけるなど、国内外で活躍されている人ばかり。
通常はハウスメーカーの住宅を手がけることはない人たちです。そうした職人さんを口説き落とすためには、住まいづくりに対して情熱がある担当者でなければ実現できません。
そうしたところから、今回のモデルハウスは「何でもできますよ」が高いレベルで達成されているということが見えるわけです。もっとも、モデルハウスの建設費用は1億2000万円超を超えるといい、アキュラホームでは過去最高額のモデルハウスだそうです。
建物の大まかな概要は以下の通りです。
建築面積=105.12平方メートル(庭を含めると158.40平方メートル)
延べ床面積=176.68平メートル(1階90.72平方メートル、2階85.96平方メートル)
構造=木造軸組工法+一部鉄骨使用
コンセプト=60歳代の夫婦がゆったりと暮らせる住まい
各分野の「匠」と呼ばれる方々が参加しているのも特徴です。
大工=杉本広近氏(日本でも数少ない「数寄屋づくり」の職人)
左官職人=久住有生氏(重要文化財の修復など世界的にも活躍)
庭師=比地黒義男氏(国内外で本格的な日本庭園を手がける)
次のページで写真で詳しくご紹介します。