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ダニ類が活発な季節、マダニによる新型感染症にも注意(2ページ目)

気温が上昇するにつれてノミやダニといった寄生虫の活動も活発になります。中には人や犬に病気を引き起こす場合もあるので、予防対策はしておきたいものです。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

マダニがつきやすい場所

田舎だけではなく、都会でもマダニには注意

マダニの唾液には麻酔効果のある成分が含まれているため、咬まれても気づきにくい。犬の体では、毛が少ない箇所は特に注意を/ (c)daj/amanaimages

人の場合:
頭部(髪の毛の中)、脇の下、胸の下(女性の場合)、膝の後ろ、足の付け根など。

犬の場合:
目の周り、口の周り、耳、前胸、脇の下、後ろ脚の付け根、お尻の周り、足の指の間など。

マダニが潜んでいる場所

マダニは草が茂っている場所を好むので、自然豊かな場所のみならず、都会の公園や河川敷にも潜んでいることがあります。

  • 山の中
  • 草原
  • 田園地帯
  • 草の茂る河川敷
  • 草木の多い公園         など

マダニ対策

マダニは口下片と呼ばれる鋭い口先で相手の皮膚を切り裂き、それをしっかり固定して吸血するので、無理に引っ張ろうとすると口先だけが皮膚の中に残ってしまいます。そこが化膿してしまうこともありますし、逆に病原を体の中に逆流させてしまう可能性もあります。また、野兎病のように健康な皮膚からも進入できる病気をそのダニがもっていた場合には、潰すことによって飛び散った体液から感染する可能性もないとは言えないそうですから、寄生したマダニを取る際には注意が必要でしょう。

入浴することで落ちる場合もあるようですが、完全とは言えません。専用のマダニ取りピンセットも販売されているので、そういった器具を使用して取るか、自信がない場合にはやはり病院や動物病院で取ってもらうほうが無難です。

何より、寄生される前にマダニを寄せつけないのが一番。人であれば長袖や長ズボンを着用し、なるべく肌の露出を少なくすることで多少の予防はできますが、犬ではマダニの忌避または駆除効果のある薬剤やアロマ、ハーブなどを使用するというのが一般的な対策となります。

効果としては動物病院で扱っている忌避および駆除薬のほうが高いでしょうが、化学的なものを長期使用するのは体への影響が気になるという人は、効果は緩やかながらホリスティックな対策方法をとるのもいいでしょう。

虫除け効果のあるアロマスプレーを作るのであれば、ゼラニウム、レモングラス、ミルラ、ラベンダー、ローマン・カモミール、ユーカリなどが使えます。特にゼラニウムやミルラにはダニ予防効果があるとされます。いくつかの香りを混ぜて、愛犬お気に入りのスプレーというのを作ってみてもいいのではないでしょうか。

同時に、特に草むらがある場所へ出かけた後には、ダニ類がついていないかどうか、愛犬の体をチェックすることもお忘れなく。現代では、一年中マダニへの注意は必要だと言われますが、特に4月~11月くらいまでの間は要注意期間となります。


余談ですが、現在、アメリカ中西部では犬インフルエンザが流行しているそうです。長い間、犬はインフルエンザには罹らないと言われていましたが、2004年にアメリカのフロリダ州で初めてこの病気が報告されました。また、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)にしても、つい4年前のことです。医学が日々進歩する中で、病原となる生物も進化や変化を遂げることがあるので、こうした情報にもアンテナをはっておく必要があるのでしょう。


参考資料
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウィルスの国内分布調査結果(第二報)について/厚生労働省
動物由来感染症/厚生労働省
NIID国立感染症研究所ホームページ
IDSC国立感染症研究所感染症情報センターホームページ
わが国への侵入・蔓延が危惧される動物由来感染症/公益社団法人日本獣医学会
原虫病シリーズ2 ヘパトゾーン感染症/猪熊壽/Small Animal Clinic No.146 4-9
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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