血液ドロドロの定義

りんごのようにかたくなった赤血球は、細い血管をくぐり抜けられなくなる

りんごのようにかたくなった赤血球は、細い血管をくぐり抜けられなくなる

皆さんは、「血液がドロドロすること」のイメージをどのように持っていますか?どうもこれが世間一般では曖昧に話されているような気がします。

「血液がドロドロする」ということをきちんと定義してみると、以下の3つの意味で捉えることができます。

  1. 赤血球がかたくなること
  2. 赤血球が濃いこと(ヘモグロビンの比率が高いこと)
  3. 血漿成分のあぶらが多いこと

(1)は、血液ドロドロの代表的な考え方です。赤血球は血液の血球成分の中で一番大きなものです。そして組織に酸素を届ける重要な働きを持つため、どんな細い血管でも柔軟にくぐり抜けていくしなやかさが必要です。このしなやかさがなくなった時にかたい赤血球となります。赤血球のしなやかさを表す指標に、赤血球くぐり抜け試験があり、血液ドロドロの指標の一つとして用いられています。

また(2)については、赤血球が単位血液量あたりに占める割合を表す「ヘマトクリット」が参考になります。このヘマトクリットが1上昇すると、血液粘性が4%上昇します[1]。この血液粘性も血液ドロドロの指標の一つとしても用いられています。

血液中に中性脂肪やコレステロールが多いことも、(3)の血液ドロドロを引き起こします。しかし、これはイメージであって実際に血液がドロドロ、つまり血液粘性を高める作用としては、赤血球のしなやかさやヘマトクリット値と比べると、無視できるくらい小さなものです。

つまり血液ドロドロは、赤血球のしなやかさとヘマトクリットに依存していると考えられます。ここで言うドロドロとは、血液粘性が上昇したことで、組織への血流が遅くなり、酸素運搬効率が下がってしまうことです。当然、この状態を放っておくことは、血管にも臓器にも良くないことになります。

血液をサラサラにするメリットとは

血液がドロドロになると、血液の流れが滞るので高い圧力を必要とします。これが血圧の上昇、つまり高血圧となるのです。そしてドロドロ血液は、血管の壁を傷つけてしまいます。高い圧力とこのダメージがいつしか血管の壁に動脈硬化をつくり、血管の柔らかさを失わせてしまいます。

血液がドロドロの状態であることは良くない、だからサラサラにしなければならない。 この考え方はどうやら正しいようです。血液をサラサラな状態に保つことで、動脈硬化を予防できることは正しい認識だとおもいます。

血液をサラサラにする方法

喫煙は血液中の酸素を減らすことになります

喫煙は血液中の酸素を減らすことになります

血液がドロドロになることは、赤血球がかたくなること、ヘマトクリットが高くなることですので、赤血球を柔らかくする方法とヘマトクリットを高くしすぎない方法を考えればよいのです。

赤血球を柔らかくする方法は、クエン酸や酢酸が有効とされている報告があります。とくに街で見かける健康食品やサプリメントの中では、黒酢やEPAがこれに当たると考えてください。黒酢を摂ることで血液をサラサラにすること、青魚(EPAが多く含まれている)を多く摂ることで心筋梗塞を予防するという報告があります。

ヘマトクリットを高くしすぎない方法は、血を濃くしないことなので、水分をしっかり取ることや低酸素の状態にならない(喫煙や肥満)ことです。水分摂取と禁煙は、とても大切なことです。

賢い健康人のやっていること

体に良いとされている食品をバランスよく摂り、水分をしっかり摂って、喫煙はしない。
これが健康の秘訣なのでしょう。皆さんも、血液サラサラを目指して、なにか一つでも生活改善を行ってみてはいかがでしょうか?


参考文献
1. Baskurt OK, Meiselman HJ (2003). "Blood rheology and hemodynamics". Seminars in Thrombosis and Haemostasis 29: 435–450.
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