ポルシェ/ポルシェ

ポルシェ マカンは「安くてもきっちり“ポルシェ”」(2ページ目)

安くても、ポルシェらしい走りを追求したポルシェ初のコンパクトクロスオーバーSUV・マカン。前評判と期待の高さが初期のセールスを支え、プロダクトの仕上がりの良さがさらなる評判を呼ぶというベストセラーのパターンに。その魅力とは?

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

カイエンよりも走りの質が軽快なマカン

ポルシェマカンS

V6ツインターボを搭載するマカンS。専用デザインのツインエグゾーストパイプを備える


個人的に、最も気に入ったのは、マカンSだ。340psの直噴3L V6ツインターボは、サイズにやや勝ったパワーバランスで、マカンを充分、スポーツカー風に楽しませてくれる。これがターボになると、怖いくらいに速く、過剰だ。もっとも、マカンSにあれやこれやとターボに標準の魅力的なオプションを組み込むと、あっという間にターボの背中がみえてくる。悩みどころではある。

ポルシェマカン

マカン専用セッティングが施された ポルシェ・トルク・ベクタリングプラスを用意。トルクを左右リアホイールに可変配分、内側のリアホイールに軽くブレーキをかけコーナーの俊敏性も高めてくれる


だったら、最初っからハイレベルの加速性能なんて気にもせず、2L 直4ターボのマカンをさらっと乗ってみるのもいいな、と考えるのもアリだろう。体躯に見合ったパワー&トルクは日常利用にうってつけ。激しくないから、毎日、気楽に乗れるはず。ここぞ! というときに、ちょっとかったるいかも知れないけれど、ここぞ!なんてときはほとんどない、という人も多い。毎日、疲れず乗りたいなら、見栄を張らず、直4マカンだ。

カイエンよりも、当然、走りの質が軽快である。だから、スポーティさではカイエンを上回る。乗り比べてみるとよくわかるが、マカンを乗ったあとにカイエンに乗ると、やはり少しはトラックっぽい。そんなカイエンでも、かのクラスのなかでは飛び抜けてスポーティで、ポルシェっぽく走っているのだが!

ポルシェマカン

スポーツモードだけでなく、トラクション重視のセッティングに切り替わるオフロードモードを標準採用。エアサスペンションもオプションで用意


マカンに死角はないか? 4ドアモデルとしては狭い後席と荷室容量が気になる、という方もいるだろう。そういう人は、もう少し四角い本格クロカンブランドを選んだ方がよさそうだ。もうひとつ、あまりの人気で納車が長引いているうちに、せっかくのお客を他のモデルに奪われたりはしないだろうか? たとえば、今後登場する、マセラティ レヴァンテあたりに!?

ミッドサイズのクロスオーバーSUV市場は、まだまだ熱くなりそうだ。


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