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投資で無意味な「分散」していませんか?4つの例

分散投資が良いことであることは、少し普及してきました。しかし、投資先を増やせば分散になると考えている人もいます。分散の意味を本当に理解していないと、たいへんなことになります。ここだけは理解しておきたい!分散の真の目的について書きました。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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分散投資は正しいのだが

絶対儲かるという約束がない投資の世界において、価格変動のリスクをおさえる方法として分散投資があります。投資先を分散することで、比較的穏やかで安定したリターンを得ることができるからです。もちろん分散投資は良いことなのですが、分散の意味を勘違いして、無意味な分散をして失敗する人がいます。無意味に分散には、どんなパターンがあるでしょうか?

無意味な分散の例をあげれば……

私が、実際に見聞きしたなかで、誤解されている分散には、次のような例があります。

  1. 日本株の銘柄を増やす
  2. 似た性格の投資信託を合わせ持つ
  3. 保険と投信に分散する
  4. 預貯金に分散する

1つずつ、解説していきましょう。

日本株の銘柄を増やす

投資の教科書には、銘柄数を30以上に増やすと、分散効果が得られると書いてあります。それを鵜呑みにして、日本の企業30社以上に投資している人がいました。

ご本人は、立派な分散投資だと思い込んでいたのですが、これは、むしろ集中投資です。なぜなら、資産クラスにおいて、日本株という単一カテゴリーに集中しているからです。どんなに優良な銘柄であっても、日本株が沈むときには一緒に沈みます。それでは、本当の分散の効果が得られません。

本当の分散とは、日本株が下がるときに、上がる資産クラスを保有することなのです。日本株と異なる値動きをする資産には、国内債券、海外債券、コモディティなどがあります。ただし、これは過去の値動きを分析した結果の相関係数から分かることなので、固定した関係にありません。直近の相関関係を専門家に確認してから、効果的な分散をしてください。

値動きが同じ投資信託を持つ

投資信託なら、1本の投信で何十、何百という投資先に分散投資しているから、それでいいのだろうと思っている人もいます。あるいは、米国株に投資する投資信託をいくつも保有して、分散ができていると考えている人もいます。しかし、それらは1と同様の理由で、分散になっていません。

米国株と異なる値動きをする資産には、海外債券やJリート(日本の不動産投信)があります。安定した運用をしたい人は、値動きの異なる複数の資産クラスを合わせて保有することが賢明です。

保険と投信に分散する

投信で分散投資をできているのに、保険にも分散した方がいいですよとセールスに勧誘されて、変額年金保険に入った人がいます。違うことをしているので、より安全だろうと思ったそうですが、実はまったく意味がありません。なぜなら、変額年金保険の中身は、投信による国際分散だからです。

ただ、外見のラベルが違っているだけで、中身が同様の資産クラスの組み合わせでしたら、背負うリスクは同じです。その代わり、手続きの煩雑さ、コストの割り増し、株価暴落のときの落胆など、デメリットはいっぱいあるのです。

分散の真の意味を理解しているプロが、保険、証券の分野にも少ないのが日本の悲しい現実です。不勉強なセールスマンから間違った分散を教えられる人もいるのですね。自衛のため、基本的な投資ルールだけは、自分で勉強しておけば商品選択で役に立ちます。

預貯金に分散する

預貯金に分散して、分散効果があると思っている人も多いです(特に、確定拠出年金の加入者)。そもそも、預貯金はほぼゼロ金利なので、値動きがありません。固定しているだけなので、動かないものを動くものを組み合わせても、投資の分散効果は得られません。それは、ただ投資を控えていることによって、リスクを避けているだけです。

運用にはコストがかかっています(特に、確定拠出年金制度においては、見えないコストを払っています)。コストをかけた運用で、まったく増えない資産を持つことは、大いなる矛盾ですね。投資しないことを「分散だ」などと、ごまかさずに、きちんとリスクをマネジメントすることが必要です。

いかがでしょうか?きちんと分散できれば、あなたの資産はタフになります。

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