『ヤメゴク~ヤクザやめていただきます~』(木曜21時 TBS系列にて放送中)が始まりました。すでに話題の堤幸彦が演出する作品ですが、登場するキャラクターのなかでひときわ異彩を放っているのが北村一輝演じる三ヶ島翔です。

大きすぎるリーゼントがトレードマークの濃厚なキャラクターはクセになる魅力にあふれています。“見たい!会いたい!”と思わせる三ヶ島翔の魅力と演じる北村一輝のチカラに迫ります。

ソース顔の域を完全に超えた濃厚さがクセになる

三ヶ島翔の風貌、表情、関西弁、コテコテ感と腰抜け感、すべてが可笑しさの要因なのに、なんだか深みがあります。昨今、顔は小顔になり表情や言葉はタンパクになるばかり。人間関係も会話もライトなかんじになるばかりです。

しかし三ヶ島翔は世の中の流れに逆行するかのように、濃厚な雰囲気で攻めます。とは言っても、ただの強面ではありません。可笑しさが加味されたスパイシーな濃厚さです。

爽やかな初夏の季節に見る爽やかではない三ヶ島翔は、クセになる愛されキャラなのです。


「おぅ」の見事な使い分けがクセになる

斜めに構えて「おぅ」と応える。そういった返事は小さいころから”よくない”と学んできました。人と話すときはまっすぐに相手を見る。相手を威嚇するようなもの言いはいけないと。

一方で、人は斜めに構えると、なんだか強気になり饒舌になるものです。「おぅおうおぅ」と言いたくなります。そして、三ヶ島翔も「おぅ」を連発します。しかし、この「おぅ」は威嚇ではありません。「おぅ?」と小さく疑問符を投げかける時もあれば、「おぅ!」と歓喜の声をあげ、「おう!」と驚きの声をあげる。「おぅおぅおぅ」とイエスの意味で大きく頷くこともあります。

「おぅ」を巧みに操り「おぅ」に深みを与える三ヶ島翔、気になります。


時おり見せる鋭い真顔がクセになる

黒電話

舞台は足抜けコール

ふだんは人情味あふれるものの、主張するときはどこか弱腰な三ヶ島翔。「なんじゃい」のトホホ感あふれる強気もユーモラスです。

三ヶ島翔はその風貌に相反して基本的には温和です。しかし、熱が引く一瞬に見せる鋭さにゾクッとさせられることがあります。ぶれない三ヶ島翔の生きざまと、北村一輝が演じる所以を痛感する一瞬で、その一瞬に何もかもが集約されているように思います。

大島優子演じる主人公の永光麦秋に「後ろ暗いやり方は絶対に認められへんな」と直言した時に見せた顔が、それです。三ヶ島翔という人物への興味がさらに深まりました。

大きなリーゼント、暑苦しいダークなスーツ、それでもカッコよく見える三ヶ島翔に一本とられた感じです。


ヒートアップしない大人の三ケ島翔がクセになる。

永光麦秋を冷静に観察する三ヶ島翔は、ヒートアップすることがほとんどなく冷静です。「言い過ぎや」「病院では静かにせんと」と実は一番常識的な人物なのです。

今後、永光麦秋のストッパーとして存在しそうな三ヶ島翔。誰よりも冷静で誰よりも大人の感覚を持ち合わせ、自由そうで羽目を外さないバランス感にクレバーな彼を見ます。そんな三ヶ島翔の生き方に視聴者は憧れを感じているのかもしれません。


“あっぱれ”としか言いようがない北村一輝の振り切り方がクセになる

『ガリレオ』では女性から熱い視線を受ける刑事。『昼顔』では不倫に堕ちていく画家。強力なイケメン遺伝子を持つ俳優なのに、北村一輝は攻め続ける俳優です。

本作でのコテコテニーズに全力で応える演技は、誰にもマネできません。デフォルメの徹底ぶりとサラリと見せる人間性。振り幅の微調整ができる北村一輝のコントロールする力は絶妙です。「カッコイイ北村一輝が、なぜこんな面白いことをしているのだろう」と思いつつ、面白さを炸裂させる北村一輝の振り切り方には思わず感謝してしまいます。

三ケ島翔の活躍はまだまだこれから。リーゼントに隠された切なさも含め、ますます目が離せません。


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