高見順の作品の舞台、浅草をめぐってみた

今回の散歩こちらの『如何なる星の下に』という高見順の小説の舞台を歩こうというものだ。散歩に出かける前に読んでもいいし、散歩の途中にどこかで休憩しながら読むのもいいだろう。もちろん、散歩したあとで読んでもいい。
昭和13年頃の浅草が描かれている

如何なる星の下に (講談社文芸文庫)

1937年(昭和13年)の浅草が舞台となっている小説だ。こう書くと、かなり古臭そうなイメージをもたれるかもしれないが、時代を感じさせない。その理由のひとつは、小説の中で紹介されている飲食店の多くは、現在も存在しているからだろう。今回はそんな店を巡ってみたい。
この小説と同時に参考にしたのは、東京紅團(東京紅団)というサイト。小説に登場するお店の場所や情報など克明に取材されていてとても参考になった。

メインの舞台として登場する「惚太郎」

 この小説ではほとんどの飲食店が実名で登場しているのだけど、このお好み焼きの店「惚太郎」だけは、店名が変えてある。実在するのは「染太郎」だ。のれんには「風流お好み焼き 染太郎」とある。
 

昭和12年創業

浅草 染太郎 台東区西浅草2-2-2

主人公の倉橋は小説家。浅草を舞台にする小説を書くために、浅草にアパートを借りて住んでいる。そのアパートから近いところに「惚太郎」がある。小説ではこう説明されている。

森家惚太郎という漫才屋の細君が、ご亭主が出征したあとで開いたお好み焼屋が、私の行きつけの家であった。惚太郎という芸名をそのまま屋号にして「風流お好み焼 ── 惚太郎」と書いてある玄関のガラス戸を開くと、狭い三和土(たたき)にさまざまのあまり上等でない下駄が足の踏み立て場のないくらいにつまっていた。
(「如何なる星の下に」(講談社文芸文庫)19ページ)

12時店が開くのでその少し前にお店は行ってみると、長蛇の列。驚いて行列に並ぶと、ほどなくお店の方が出てこられて、のれんをかけられた。同時に10人位の行列がどっと中に入る。中は意外に広くて、座敷に鉄板が置かれている。並んでいた人達が全部入ってもまだ空席があった。が、すぐにフランス人の団体客がやってきて、店は満員になった。
なんせ、メニューの量が半端なく多いのだ

まずは塩辛とビールをたのんで、ゆっくりメニューを見た

浅草も外国人観光客の方が増えた。さて、まずは塩辛とビールをいただき、メニューをゆっくり見ることにした。なんせ、メニューの種類が多いのだ。
ソース味とはまた違うお好み焼きだ

「山寺天」という赤味噌でいただくお好み焼き

山寺天というキクラゲ、ネギ、赤味噌などが入ったお好み焼き。

けっこうおいしかった

鉄板の上にラードを広げて、自分で焼く

さらに焼きそばもいただいた。ちょっとかための麺がおいしい。こちらも自分で焼くようだ。
ビールに合う

量がちょうどいい焼きそば

ステンレスのお皿に入れられた焼きそば、このままひっくり返し、お皿をのせたまま蒸し焼きにする。美味しかった!

■店名
浅草 染太郎 (あさくさそめたろう)
東京都台東区西浅草2-2-2
12:00~22:30
無休