これまでのソニーのVAIOと、新しく生まれ変わったVAIOについて解説します。
VAIO事業が分社化されるまで
新生VAIOで象徴的なVAIO Z
現在、パソコン市場はスマートフォンやタブレットの登場もあり、世界的に熾烈な競争環境の中にあります。各社とも、シェアの拡大や利益率の向上、サービスも含めた独自機能を持つ製品といった施策で生き残りを図っています。
そんな中、ソニー時代のVAIOは、日本では一定のブランド価値があり、高性能な製品を中心に愛用者も少なくありませんでした。しかし、海外での販売、特に売れ筋製品において苦戦を強いられていました。
そんな中、ソニー時代のVAIOは、日本では一定のブランド価値があり、高性能な製品を中心に愛用者も少なくありませんでした。しかし、海外での販売、特に売れ筋製品において苦戦を強いられていました。
どの分野でも、大量に販売した方が部品が安くなり、製造単価も下げられ、結果として製品価格を下げることが出来ます。パソコンも同じで、数を売るためにも、自社製品のラインナップを増やすためにも、売れ筋製品の充実が重要となります。売れ筋の製品とは15インチ程度の液晶画面で、日本なら10万円から15万円程度で販売されているいわゆる普通のノートパソコンです。薄く軽い製品は話題にはなりますが、価格が高い事もあって数はそれほど出るわけではないのです。
VAIOというブランドを聞いて多くの日本人が思い浮かべるのは、薄くて軽いノートパソコンでしょう。VAIOは元々「Video Audio Integrated Operation」から作られたブランド名です。薄くて軽いノートパソコン以外にも、ソニーが得意なビデオやオーディオ機能を特に強化したパソコンがその象徴でした。しかし、近年のVAIOではこれらの機能が他社と比べて突出していた製品は無かったと言えるでしょう。
売れ筋となる普通のノートパソコンは、最も販売数が多いことから競争が激しい分野ですが、薄さや重量、パソコンとしての性能よりも価格が、最も重要な要素になっていました。VAIOが得意なハイエンド製品の特徴が出しにくい分野の製品が売れ筋製品だったのです。
そんな中でも、ソニー製VAIOのデザインは悪くは無かったと思いますが、近年の売れ筋製品は、他社と比べて機能的に突出した部分はありませんでした。この分野は海外では5万円から8万円程度が中心価格帯となっており、日本以上に激しい価格競争となっています。
シェアも高くなかったことから、ソニーのVAIOはシェアに勝る各社との競争の中で結果的に厳しい状況となっていました。さらに、ソニー本体の業績問題もあり、VAIO事業はソニー本体には不要と判断され売却されることになりました。
新生VAIOのスローガン
売却され、新しく誕生した「VAIO株式会社」は、今までのしがらみにとらわれること無く、新しいことを自由にやる会社という信念を持って誕生しています。