ドラマ/朝ドラ・昼ドラ・二ドラ

『花子とアン』と『おしん』で学ぶ鼻濁音(2ページ目)

気になる人は使われないのが許せないけど、存在することすらしらない人もいる鼻濁音。消滅の危機になることがニュースになりましたが、ドラマの中でも意外に重要な役割を果たしています。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

日本三大朝ドラ鼻濁音

鼻濁音で朝ドラネタが二つ出たのでもう一つ出しておきましょう。今のテレビ業界で代表的鼻濁音の使い手は黒柳徹子。東京の山の手出身のネイティブ・スピーカー。さらに朝ドラ『チョッちゃん』ヒロインのモデルの母から二代続いて東洋音楽学校(現・東京音楽大学)声楽科卒で鼻濁音を学んでおり、筋金が入っています。

ということでこれら三つを「日本三大・朝ドラ鼻濁音」としたいと思います。


日本語はむずかしい

東京の山の手ことばから引き継がれて標準語とされるガ行鼻濁音。全国に普及しなかったのは学校で学ぶ国語には入っていなかったためでしょう。今回、逆に衰退傾向にあることがはっきりしました。

最後に日本語をテーマにしたドラマを一つ。1985年、NHKの『國語元年』です。
脚本は井上ひさし。若い頃は『ひょっこりひょうたん島』などを担当した放送作家でしたが、小説家・劇作家として名をなした後にドラマの脚本を書いた貴重な作品です。

明治初期、文部省の役人で長州出身の南郷清之輔(川谷拓三)は「全国統一はなしことば」の作成を命じられる。彼の屋敷には薩摩出身の妻と義父をはじめ、江戸の山の手に下町、津軽、遠野、米沢、会津、尾張、京都などさまざまなことばの人々が集まっていた。南郷はそれらを合わせたことばをつくりあげようと苦闘するが……という悲喜劇。

日本語を深く考えていた井上ひさしらしい作品です。

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