家計簿・家計管理/家計管理の基本

「お金を生む資産」を持つ事が豊かさへの近道

所得には働いて得る「労働所得」と不動産や株式等の資産から生まれる「資本所得」の2つに分けることができます。今回は「資本所得」についてお伝えします。

二宮 清子

執筆者:二宮 清子

家計簿・家計管理ガイド

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複数の収入、4つのタイヤで安定するのが家計

収入をアップするには「労働から得られる収入」と、不動産や金融商品等の「資産から得られる収入」の2種類をバランスよく持つがあります。前回は労働から得られる収入をどう増やすか?お伝えしました。⇒「格差に負けない!給料アップの秘訣とは」

今回はもうひとつの収入「資産から得られる収入」についてお伝えします。

家計を安定させるためには

家計を安定させるためには



最初の選択として資産運用をするか?しないか?

富裕層や周りの豊かな方々を見ると、多くの方が「資産から得られる収入」を持っています。家計を上向かせ豊かさに恵まれるには資産運用について学び「資産から得られる収入」を築く必要性に気付き、資産運用をするか?しないか?の選択をする必要があります。

<家計を1台の車に例えるならば>
■資産運用をしない…「稼ぐ」「貯める」「支出を減らす」の3つのタイヤでずっと頑張る

■資産運用をする…資産運用を学び「稼ぐ」「貯める」「支出を減らす」「増やす」の4つのタイヤで資産を築く

多くの方が「資産運用は先祖代々受け継いだモノや親からの相続といった金持ちだけができるものだから自分達には無関係だ」と諦めてしまっています。資産運用はそんなに普通の人々にとって無縁なものでしょうか?誰もが最初は少額から始め、コツコツと築くところから始まっています。

フランスの経済学者トマ・ピケティ氏によると労働者の賃金の伸び率より、不動産や金融商品等の資産から生み出される収益率の方が大きいとされます。

給料が増える割合より、資産運用で増やす割合のほうが全体的に大きいということです。ピケティ氏は統計的、歴史的に研究しこのように発表しています。しかし、多くの人々がこの事に気付くことなく、「頑張ってずっと働く」という方法で豊かさを得ようとしています。更に資産運用や投資に対して恐れやギャンブルという思い込みからチャンスさえ見逃してしまっています。

資産の定義とは?

そもそも「資産」とは一般的に言われる資産とは定義が違う事を知る必要があります。

「金持ち父さん貧乏父さん」の著者ロバート・キヨサキ氏によると、「資産」と「負債」は以下のように定義されています。

■資産…自分のポケットにお金を入れてくれるもの
■負債…自分のポケットからお金を取っていくもの

従って、「資産」とはお金を生み出すものと定義しますので、アパートや貸家、駐車場など収益性のある不動産、配当金が得られる金融商品などを言い、マイホームや車など税金やコストが常にかかりお金を生み出さないものは「負債」という事になります。このお金を生み出す「資産」を持つことが豊かさへの近道だと言えます。

お金を生み出す「資産」の有無で格差が生まれる

現在の日本人の多くは緊急予備資金といった備えの為の貯蓄と、マイホーム、教育資金、老後資金等といったライフイベントの為の貯蓄だけを持ち、使い切って生涯を終えるか僅かに残れば相続するといったマネースタイルの方がほとんどでしょう。現預金や貯蓄といった資産は今の銀行金利は大変低く、お金を生むとはいい難いものです。

結果的に次世代に相続する資産を残さないままなので、その子ども達は結果的にゼロからのスタートで「頑張って働く」ところから始めるしかないわけです。しかし、次世代の事も考え「資産」を築きあげ相続を受けた子ども達は一定の豊かさを持っている状態で更に仕事をし「労働所得」を得るので豊かさは拡大していき、結果的に格差が生まれるという仕組みになっていきます。

ここ数年のアベノミクスでは金融商品の有無によって大きな所得格差が生まれました。金融商品を持っていた人は大きな利益を生み出し、持っていなかった人は増税や物価上昇に家計を苦しめられただけの結果となりました。金融商品という「資産」を持っているか持っていないかで家計にずいぶんと差が出ることを多くの方が体感したでしょう。

高度経済成長期は「頑張ってずっと働く」という選択肢でも豊かになれた時代ですが、すでにそのような時代ではないという事は誰もが気づいているでしょう。しかし、「頑張ってずっと働く」という高度成長期を過ごした親を持つ今の30代以上の世代は、「頑張ってずっと働く」ことが良しとした教育を受けている為、考え方を変化させることが安易ではない事も理解できます。

今の時代、決して富裕層だけが資産運用を始めているわけではありません。中間層の多くが資産運用に興味を持ちトライし始めています。

これまでデフレ(物価下落)しか知らない世代にとっては預貯金だけが家計を守る資産でした。しかし、インフレ(物価上昇)になると預貯金だけでは家計は守れないという事に気付いたはずです。時代は常に大波小波と変化し今後もデフレやインフレを繰り変えすことでしょう。どのような時代になっても家計を守り自分と家族が豊かに暮らしていく為には、「稼ぐ」「貯める」「支出を減らす」「増やす」の4つのタイヤをバランスよく稼働させ、資産を築いていくことが必要です。


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