花粉症の薬、市販と通院のどちらが経済的?

花粉症の薬は市販で買うより通院する方が薬代を抑えられるというのは聞いたことがあるかもしれません。ただ、忙しくて通院する時間があまりなければ、経済的な面を考慮したとしても通院にするか、市販薬にするか悩みますね。アレグラを処方された場合の負担額を例に、迷ったときの参考にしてください。

執筆者:村上 綾

花粉症の方にとって抗アレルギー薬は欠かせないもの。花粉症対策にかかる費用も気になるところです。今回はアレグラを市販で購入する場合と処方せんでもらう場合の費用を比較し、どちらが経済的なのかを考えてみました。

市販のアレグラにかかる費用

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気になる花粉症対策の薬剤費

市販のアレグラFXは、医療用のアレグラと同成分で有効成分の含有量も全く同じです。

■アレグラを市販で購入する場合
1日2回服用で、14錠包装と28錠包装があります。
14錠:1,419円 (税込)
28錠:2,036円 (税込)

現在、市販のアレグラFXは1類医薬品に指定されていますので薬剤師のいる薬局、ドラッグストアでしか購入できません。

処方せんのアレグラにかかる費用

通院でアレグラを処方してもらう場合、アレグラの薬価は1錠あたり71.9円ですが、薬剤料以外にも費用がかかるので合計金額にに占める薬剤料の割合(ここでは処方日数)によっては市販薬の方が経済的な場合もあります。

■アレグラを処方せんで2週間分(28錠)もらう場合
薬局で支払う金額は
調剤基本料+調剤料+薬剤料+薬学管理料
=71+63+196+41
=371(点)
3割負担で1,110円
(基準調剤加算1、後発医薬品調剤体制加算1で計算)
(調剤基本料は薬局によって異なりますので一概にこの通りではありません)

これに診療所または病院での支払いがあるので、3割負担だと2週間分程度の薬であれば市販薬と通院するのと経済的にはあまり変わりません。症状が軽症で、花粉のピーク時だけ頓服する場合は、忙しい人にとっては市販薬の方が都合がいいかもしれません(1割負担であれば通院の方が経済的です)。2週間以上の処方になると、調剤基本料や薬学管理料は変わらないので薬剤料の保険の分だけ通院する方が経済的です。

■アレグラを処方せんで4週間分(56錠)もらう場合
調剤基本料+調剤料+薬剤料+薬学管理料
=71+81+392+41
=585(点)
3割負担で1,760円
(基準調剤加算1、後発医薬品調剤体制加算1で計算)

長期処方してもらえるのであれば、やはり市販よりも通院する方が経済的です。病院の方針によっては2週間までしか処方されないこともありますが、あまり診察にかかる時間がとれないので長めに処方してほしい、などきちんと事情を説明してみましょう。

ジェネリックの場合

薬剤料を抑えるには後発医薬品(ジェネリック)も気になるところです。アレグラのジェネリックは各ジェネリックメーカーが出していますが、オーソライズドジェネリックもあります。一般的なジェネリックの場合、有効成分は同じであっても、添加物まで全く同じということはなく、そのため先発品にこだわりのある方もいると思います。しかし、オーソライズドジェネリックであれば先発品(アレグラ)と添加物も同じ医薬品として使用できます。他のジェネリック同様、研究費がかかっていない分、先発品より価格も抑えられます。ジェネリックの場合、約1ヶ月の服用で先発品より540~720円経済的になります(3割負担の場合)。

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きちんと対策できれば杉もこわくない!

経済面以外の通院することのメリットとして、市販薬にはない薬の選択肢があり症状に合った薬を服用できること、アレルギー検査をしてもらえること、その他の治療の相談ができることなどがあると思います。抗アレルギー薬は十分な効果を得るまでに時間がかかるので花粉の飛散する初期から服用し始めると効果的です。まだアレルギー検査をしていない人は自分がどの花粉に対してアレルギーがあるのか知り、いつの時期に重点的に花粉症対策をしなければならないのか知ることが大切です。

花粉症は今後も長く付き合っていかなければなりません。通院と市販それぞれのメリットを理解して自分にとってベストな花粉症対策の参考にしてください。


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