注文住宅/家づくりの流れ・基礎知識

住宅ローン減税拡充でどんな人にメリット?

前回は消費税引上げについてお話しましたが、今回からは消費税引上げによる負担軽減の意味合いから他にも拡充された住宅購入支援策について紹介していきます。今回は、「住宅ローン減税」で控除額が拡充され、期限も延長された内容について。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

消費税は延期されたものの、2014年(平成26年)4月に引き上げられた消費税8%により、住宅業界をはじめ、あらゆる産業で消費低迷が問題になっています。そこで、平成27年度住宅税制では多くの住宅購入支援策が打ち出されました。ここではおおまかなポイントを順次お話していきます。
住宅ローン減税

最大控除額が一般住宅なら200→400万円に、認定住宅なら300→500万円に引き上げられた(出典:住宅金融支援機構資料)

1つは住宅ローン減税の拡充と期限延長です。住宅ローン減税制度とは、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に適用され、毎年末の住宅ローン残高の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されるというものです。また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。

住宅ローン減税、平成31年6月まで

この住宅ローン減税の拡充は平成26年3月まででしたが、平成27年度改正で大幅に拡充されたうえで期限も平成31年6月まで延長されることになりました。上の表で下の青の部分と上の黄色の部分を見比べていただくと、「控除対象となる年末ローン残高上限額」と「最大控除額」が大きく拡充されているのがお分かりになると思います。 また「所得税で控除しきれなかった金額を個人住民税からも控除してくれる上限額」も年9.75万円から年13.65万円に増えました。
投資減税

ローンを組まずに現金で買う人にも「投資減税の拡充」が用意されている(出典:以下いずれも住宅金融支援機構資料)

さらに「一般住宅」と「認定住宅」とがありますが、下の認定住宅ではさらに控除額がアップします。認定住宅とは、長期にわたって維持管理しやすい長期優良住宅や、地球環境にやさしい低炭素住宅の条件をクリアしていることが条件となります。

長期優良住宅や低炭素住宅であればさらにメリット

一方、住宅ローンを組まずに現金で家を買う方には以前から「投資減税」というものがあったのですが、こちらも昨年の平成26年年3月まで長期優良住宅に対して500万円までだったのが、改正で平成31年までに延長され、長期優良住宅に加えて低炭素住宅が加えられ、限度額も650万円にアップされました。

ただし、これらは所得税・住民税の控除の多い、つまりそれだけ収入の多い人は十分な還付を受けられますが、そもそも払っている税金が少ない、つまり収入が少ない人は効果が小さくなります。そういう方のために設けられたのが、次にお話する「すまい給付金」です。
すまい給付金

低所得者支援制度「すまい給付金」は年収制限があり、持分割合によっても異なってくる(出典:国土交通省HP)

収入が十分でない層に対して消費税の引き上げ負担を減らそうというのが、「すまい給付金」ですが、当然ながら以下のような年収制限があります。

【給付金を受けられる人】
■住宅ローンを利用していて
≪8%適用者≫年収510万円以下
≪10%適用者≫年収775万円以下
■ローン利用しない場合は年収650万円以下+50代以上

【給付金を受けられる住宅】
■どんな住宅が受けられるの?
・床面積50平方メートル以上
・≪住宅ローンを利用している≫住宅瑕疵担保責任保険に加入できる住宅
・≪ローン利用しない≫フラット35S基準を満たす住宅

「持分割合」というのは、不動産の所有権をもっている割合のこと。夫が100%所有ということもあれば、夫婦で共有にして50%ずつ、または土地や資金を出してくれたお父さんが20%もっているというケースもあると思います。

「いくらもらえるの」?という給付額ですが、住宅取得者の収入及び不動産登記上の持分割合により決まります。収入については、給与所得者のいわゆる「額面収入」ではなく、都道府県民税の所得割額に基づくので、市区町村が発行する個人住民税の課税証明書で確認してください。こちらの制度は平成29年12月までですのでまだ大丈夫ですが、先の消費税10%の前に、お得をWで享受したいということであれば早めの住宅取得がおすすめです。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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