ポルシェ911 GT3でぜひサーキットへ。それで普段も幸せ気分に
GT1クランクケースがどうしたこうしたなんてマニア話も吹き飛んだ。はっきり言って今、フェラーリやアストンマーティンを含めても、最も官能的に回ってくれるパワートレインだと思う。それが、CPの高いスーパーカーだとボクが断言する理由である。このパフォーマンス領域に達してしまうと、もはや3ペダルMT議論も意味がない。9000回転でのシフトアップをミスることなんて、想像するだけで、おぞましい。現代のパフォーマンスに見合ったトランスミッション形式は、やはり電子制御のはいった2ペダルPDKということなのだろう。
3ペダルを楽しみたければ、ユーズドを狙えばいいだけのハナシだ!
それにしても、愉快ツーカイ豪快なスポーツカーである。極限域での性能がベラボーに高いということを知っていれば、そのあたりを軽く流しているだけでも、気持ちいいもの。スポーツカーも、スーパーカーも、要するに、たいていは雰囲気で乗るもの。真剣に走りを極めるなんていうマニアは、一握りしかいない。だとすれば、GT3を購入したオーナーは、ぜひ一度、自分の愛車をサーキットに持ち込んで、一度でいい、全開の気持ちよさ、ブレーキのすばらしさ、コーナリングの正確さ、を味わって欲しい。もうそれだけで、しばらくは、家のまわりゆっくり走っていても、幸せな気分に浸れるはず。
幸せな気分が薄れたな、と思ったら、禁断症状が出たと思って、またサーキットへ戻って欲しい。そういう使い方がとても似合う。911GT3というクルマは、実用レーシング風スポーツカー、なのだから。