「日本株式」との組み合わせ、「先進国債券」が効果が高い
相関係数が-1に近づけば近づくほど分散投資の効果が高くなることから、資産クラス(商品)ごとの相関係数を見ることで効果的な組み合わせを見つけることができます。図は、四半期ごとにJPモルガンアセットマネジメンが公表している「MARKET INSIGHT」です。2014年12月31日基準で作成したデータを、2015年第1四半期に使用する際のものです。
過去10年間の資産クラスの相関性から抜粋したものですが、私たちの資産運用のベースになる日本株式と分散投資の効果が高い商品は、相関係数が-0.33の先進国債券になります。先進国債券は、新興国株式、米国株式、世界株式などの株式のほか、J-REIT、米国REITとの組合せでも相関係数はマイナスとなっています。
株式、REITを保有している投資家は、リスクを抑えるためには先進国債券を組み合わせるとよいことになります。日本株式だけに絞れば、米国債券でも分散効果が高いことがわかります。
逆に、株式は国内外を組み合わせても、海外株式だけの組合せでも相関係数は+1に近いことから、分散の効果が低いことがわかります。REITも同様なことが言えます。自分の資産全体を見て、株式やREITなどに偏り過ぎている投資家は、リスクを抑えるために先進国債券を組み入れるべきでしょう。
先進国債券は金利が低いといって、新興国債券や米国ハイ・イールド債券(高利回り社債)では、同じ債券でも分散投資の効果はなく、株式と債券と資産クラスを分けているものの、結果としては集中投資をしていることと同じになってしまいます。
先進国債券、新興国債券、米国ハイ・イールド債券と分けたとしても、やはり分散投資の効果はありませんので注意しましょう。
近年、マーケットが急変すると短期的には全ての資産クラスは同調した、言い換えれば相関係数は+1に近づいてしまいますが、長期投資でみれば依然として分散投資の効果はあると言えるでしょう。
※各資産クラスは、日本株式=TOPIX、
新興国株式=MSCIEmergingMaketsIndex、米国株式=S&P500Index、世界株式=MSCIACWorldIndex、新興国債券(現地通貨建て)=J.P.MorganGovermmentBondIndex-EMGlobal(GBI-EM)、
新興国債券(米ドル建て)=J.P.MorganEmergingMaketBondIndexGlobal(EMBIG)、
米国ハイ・イールド債券=BarclaysUSCorporateHighYieldIndex、
先進国債券=J.P.MorganGBI-GlobalTrade、
米国債券=BarclaysUSAggregateIndex、J-REIT=東証REIT指数、
米国REIT=MSCIUSREITsIndex