知るきっかけは、親の行動力
学校選択のきっかけで1番多かったのは「親に紹介された」という回答です。それに続く「学校訪問」など2番から4番までの回答は、2つ目のグラフの保護者が主導してわが子に働きかけたものベスト3と重なります。このことから、5番目に来る「中学校の先生」以外の学校選択上位を占めるのは、保護者からの情報提供となっていることがわかります。実情から言えば、中学校の進学指導は全日制高校中心に行われていますから、通信制は“選ぶ”というより“知る”きっかけが保護者からの情報となっています。
保護者が行う通信制高校の情報収集は、最初は、Webサイトや新聞雑誌広告、通信制高校進学ガイドブックなどどちらかと言えば静的なものから始めて、気になる学校が見つかれば、学校訪問、合同相談会参加など行動にうつしていきます。この間に中学の先生や知り合いの保護者からの情報や意見も聞いて、わが子に合いそうかどうかじっくり考え、子どもと話し合ってみましょう。
子どもに判断を急がせない
わが子から紹介されて学校選びのきっかけとしたという保護者の回答も16%と4番目に入っています。子どもの意見も尊重したという姿勢と見られます。最終的に入学決定者を一人だけ保護者にあげてもらったところ、76%が「子ども本人」と回答しています。母親は11%、父親は3%でした。それまでは大きな決定の判断を課されることがなかった子どもたちが、ここでは矢面に立たざるを得ません。いきなり判断をくだせと言われても経験不足の感は否めません。保護者は焦らない態度で接し、判断力をつけるトレーニングぐらに思ってもらったほうがいいでしょう。
子どもたちの判断を急がせることなく、正確な情報と周囲からの意見なども取り入れながら余裕のある学校選びをしたいところです。