床材は、空間の印象を大きく変える重要な素材

床材は、空間の印象を大きく変える重要な素材

新築やリフォームの際に、多くの方が取り入れる床材はフローリング。フローリングには、いくつかの種類がありますが、普及しているのは、基材(合板など)の表面に化粧材を張り合わせた複合フローリングでしょう。製品的には、用いる化粧材によって、薄く削った天然木の単板(突き板)を用いるタイプと、化粧シートなど特殊加工の化粧材を張ったタイプがみられます。

今回は、風合いやデザイン性などに特徴を持ち、耐久性や耐傷性、耐摩耗性などの機能を高めた、天然木の突き板を用いたフローリングの製造過程をみていきます。

[取材協力]  パナソニックエコソリューションズ

細かな工程と高い生産性

スライスされた表面化粧材に不具合がないかを細かくチェックする

ブロック状の集成材をスライサーによってスライス。薄くスライスされた表面化粧材に不具合がないかを細かくチェックする

見学したのは、パナソニックエコソリューションズ内装建材の群馬工場(沼田市)。木質床材だけでなく、掘座卓や造作部材などの木質内装材、木質床暖房などが生産されている工場です。

床材の製造工程の見学は、単板工程とよばれる天然木の突き板を製造するラインから始まりました。ここでは、まず、原木丸太をカンナ掛けによって決められた寸法の角材にし、製品のフロア柄パターン(フローリング表面の木目のパターン)に組み合わせ並べます。最終的な製品の風合いや表情にも影響する、仕組みと呼ばれるこの作業は、熟練した人の手で行われます。

次に、それらを積み上げ接着、圧力をかけブロック状の集成材とした上で、スライスしやすくするため煮沸。その後、大型のスライサーによって、0.25~0.3ミリ程度に薄くスライスされ、表面化粧材が完成します。表面化粧材は、ひとつひとつ担当者により、不具合がないかどうかの確認がなされ、次工程であるプレス工程に運ばれます。

機械による溝や実(さね)加工、着色・塗装

スライスされた表面化粧材は基材に接着される

スライスされた表面化粧材は0.25~0.3ミリ程度。目視による確認後、基材に接着される

プレス工程では、表面化粧材は一枚ずつ機械によって位置合わせが行われ、接着剤で合板などの基材に貼り合わせ、110度の熱板で圧力をかけしっかりと固定させます。

表面の検査後、加工仕上げの工程へ進み、表面の研磨作業が行われます。ここでは、3種類のサンドペーパーで研磨し、表面の溝加工、実(板材の長辺側面部分にある凹凸)などの加工が施されます。

次の表面着色工程では、下塗り、中塗り、上塗りの作業が続きます。下塗りは表面の凸凹をなくし、中塗りは耐摩耗性や耐久性などを高め、上塗りでは傷や汚れが付きにくい仕上げ、アレル物質の抑制を促す塗装などを施します。その後、太陽光に近い照明のもとで、認定検査員による最終的な検査を受け、梱包・出荷されます。

最終的な確認は、人の目で

太陽光に近い照明を設け、認定検査員2名でチェックが行われる

太陽光に近い照明を設け、認定検査員2名で最終的なチェックが行われる

群馬工場では、製造工程での、さまざまな改善活動が行われています。たとえば、一昼夜かかっていたブロック状の集成材の煮沸を2~3時間に短縮したり、人の手によって表面化粧材と合板と張り合わせていた作業を、より正確に行うために機械化するなど、効率化を進めることで、3年間で生産性は2倍、工程不良は3分の1になっているということでした。その生産性の向上には驚かされますが、印象的なのは、節目節目での人の目によるチェック体制。機械による効率化と専門性を持つ人の目による細かな配慮によって、製品の質も高められているといえるでしょう。

フローリングは、暮らしの中で毎日触れる素材だけに、製品としての性能はもちろん、素材の風合いや表情などは重要なポイント。仕組みや研磨、塗装過程など、自然の持つ魅力を工業製品として再現するためのこだわりを、随所に感じることができた工場見学となりました。


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