まだ知らない金沢を探して、東へ西へ穴場スポットめぐり
北陸新幹線開業で日帰り旅行も可能になった金沢。すでに何度も足を運んでいる人も少なくないのではないでしょうか。今回はそんなリピーターのために兼六園やひがし茶屋街などの定番スポットに負けず劣らず素敵な穴場の名所をご紹介します!ステンドグラスが施された奇抜な神門で人気「尾山神社」
加賀藩の藩祖前田利家を主祭神として祀っている尾山神社。創建は明治6年(1873年)ですがその歴史は古く、利家が死去した慶長4年(1599年)まで遡ります。徳川幕府の手前、公然と利家を神として祀る神社を創建することができなかった息子の利長が、別の名目で卯辰山の麓に社殿を建立したのが始まり。尾山神社を訪れてまず驚くのは国の重要文化財に指定されている神門でしょう。神社には異質としか言いようがないカラフルなステンドグラスがはめ込まれた斬新すぎるデザインで、とても神社の門とは思えません。
文明開化の煽りで明治初期には全国的に和洋折衷の擬洋風建築が建てられたのですが、尾山神社の神門はそこにさらに中国風デザインを取り入れ、和漢洋が混在した世にも珍しい門になったのです。
夕暮れ時に明かりが灯されるとステンドグラスが一際美しく幻想的に輝き、古都にあって異国情緒が漂う不思議な感覚を覚えます。
■尾山神社
住所:〒920-0918 金沢市尾山町11-1
TEL:076-231-7210
参拝時間:境内参拝自由
定休日:無休
参拝料:無料
艶やかな茶屋文化を今に伝える貴重なお茶屋「志摩」
金沢に3ヶ所ある茶屋街のうち、最大の規模を誇るひがし茶屋街。藩政時代の面影を色濃く残す街並みは国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、連日観光客で賑わっています。茶屋街のちょうど中心に位置する志摩は国の重要文化財に指定されているお茶屋で、現在は博物館として一般公開されています。江戸時代の残り香が漂う内部は外から見る以上に広く、1階は帳場や茶の間や台所といった裏方で、客が遊ぶのは2階。
玄関から吹き抜けの階段を上がると、通り側に「前座敷」と演舞の場である「控えの間」、客座敷と客座敷を結ぶ「中の間」を挟んで「広間」「控えの間」と並び、廊下の向こうに書院造の「離れ」と「控えの間」が設えられているという間取りで、前座敷や広間で客が床の間を背にして座ったとき、正面の襖を開くだけで艶やかな舞や謡、遊芸を披露できる仕組みになっています。
遊興のみを考えて造られているため押し入れや物入れなどの収納スペースはなく、趣向を凝らした格調高く贅沢な造りは往時の花街の艶やかさを肌で感じることができます。
併設されているお茶室「寒村庵」では、金沢が誇る和菓子と抹茶(生菓子付き700円、干菓子付き500円)が味わえるので、小さいながらも典雅な庭を眺めながら一服いかがでしょうか。
■志摩
住所:〒920-0831 金沢市東山1- 13-21
TEL:076-252-5675
見学時間:9:00~18:00
定休日:無休
観覧料:大人500円 / 小中学生300円