“機械が威張っていない”のがたまらないプジョー308
たとえば、自分のペースで、旅先のスカイラインを軽くドライブしていたとしよう。ゴルフをはじめとするドイツ勢は、とにかく四輪を上手く使いこなして、できるだけクセなく、安定したライドフィールを出そうとセッティングされている。基本的に、路面を舐めるようにして走る、フラットライドを目指しているのだ。プジョー308は違う。昔ほどじゃないにしろ、躍動する。前アシがしっかりと路面に貼りついて、グイグイ曲がっていく。すると、オシリは少しだけ軽くなって、前のめり感を強調する。そのぶん、操縦桿を握っているドライバーとしては、すべてを託されている感覚があって、楽しいというわけ。
弟ぶんの208にベストマッチだと思えたエンジンだったが、308でも十分、元気よく走らせた。6ATとのマッチングも、これといって特徴的な振る舞いはなく、個性も無い代わりに、毎日乗って引っかかるというところがない。すーっと馴染んでいけるあたり、ドイツ車よりも“身近”な存在だ。
スイッチひとつでスポーツモードに変更できるドライバースポーツパックを標準装備。アクセルやシフトをよりクイックに、パワーステアリングもよりダイレクトに変わる。さらにスピーカーから増幅されたエンジン音が流れる
ひとつだけネガを言っておくと、やっぱりアノ小さなハンドルにはなかなか慣れなかった。大きい方が扱いやすいと思うが、そうでもないのだろうか。個性といえば、確かにそうには違いないのだけれど…。