プジョー/プジョー

プジョー308はゴルフに負けない上等な“実用車”(2ページ目)

激戦の欧州Cセグメントクラスで、プジョーの基幹モデル、308がモデルチェンジ。フランス車らしいアプローチでクラストップレベルの上等な“実用車”に仕立てられていました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

ゴルフと遜色ないドライブフィール

プジョー308

全長・全幅・全高共に旧型よりサイズダウンされコンパクトに。フルLEDユニットを備えたアリュール&シエロと、ハロゲンヘッドライトをもつエントリーグレードのプレミアムでフロントマスクが異なる

結論からいうと、ゴルフと遜色ないドライブフィールを実現していた。アプローチの仕方は異なる(=フランス車らしさ)が、結果的にクラストップレベルの上等な“実用車”に仕上がっている。

特に、見映え質感のフィニッシュは、露骨にドイツ車レベルで、これまでのような“ゆるさ”はほとんど見当たらない。インテリアのクローム使いなど、お世辞にもプジョーにお似合いとは思えないのだけれど、これが最新の流行ということなのだろう。

エクステリアのシンプルさは、実にフランスの大衆車らしいセンスだ。でかい口が小さくなって、いっそう目立たぬ風情になった。顔以外は、素っ気ないと思ってしまうほどで、ゴテゴテはシトロエンに任せたということだろうが、実は、こっちの方にフランス的合理精神が息づいていると思う。
プジョー308

小径ステアリングやヘッドアップインストパネルなどを備えたアイ・コクピット。オーディオやエアコンなどを操作するタッチスクリーンを採用した

そう、これからはもうプジョーを“オシャレさん”呼ばわりするのはやめよう。ルノーやシトロエンはまだユニークで、人によっては“オシャレさん”に映るかもしれないけれど、プジョーは実直路線を歩み始めている。たとえそれがドイツ勢を意識した結果であったとしても…。

乗った印象も、全体的にみれば“カッチリ&スッキリ”系で、ドイツ勢に十分対向しうるものだった。特に、街中や高速道路での日常ユースシーンにおいては、正確にきっちり動くパートナー感覚があって、たのもしい。心の底から、「実用車だなあ~」、と思えたという点でも、これまでのフランス車とは一線を画するように思う。

ただ、最初にも書いたように、最新流行の走り味に至るプロセスが、ドイツ車とは根本的に違っている。端的に言って、そこに楽しさがあるか否か、の違いだ。もちろん、プジョーには“楽しさ”があった。
プジョー308

ラゲージ容量は420~109リッター、旧型より20%以上も広くなっている

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