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原油価格は今後どうなる?

原油価格は1月末から反発していますが、現在の反発は、単なる買い戻しにありがちな現象と見られ、需給状況を見る限り、基本的な原油安基調は変わっていないと思います。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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原油価格は今後どうなる?

日本株全体の動きにも大きく影響している原油ですが、大きく暴落していた原油価格は2015年1月30日(金)の取引終了間際に、急激に反発しました。反発となったキッカケは連日発表されている大手石油会社の決算の中で、各社とも数千億円単位で2015年の設備投資を削減する事が明らかとなる中、米国内で稼働する石油採掘装置(リグ)の数が週間で94基(7.1%)も減少した事が明らかになったことです。これは1987年以来最も多い減少幅でした。

このことで一旦、溜まりに溜まった売り方のポジションが買い戻されたものと推測します(月末でポジション調整されやすかったこともあります)。さらに、2月6日(金)に発表された数も83基(6.8%)の減少となり、原油価格は小高い基調が続いています。
油田サービス大手ベーカー・ヒューズ発表の北米ロータリーリグ稼働数はここに来て急激に調整し始めている

油田サービス大手ベーカー・ヒューズ発表の米国の(オイル)リグ稼働数はここに来て急激に調整し始めている

シェールガスの開発で供給過剰気味に

それでは、今後の原油価格はどのような推移になっていくのでしょうか? まず、世界の需給状況を確認したいと思います。下のチャートは世界の原油の需給状況の推移ですが、2013年ごろから供給が大きく伸び需要を上回っていることがわかります。
供給が上回る状態が続いていたが、原油価格の急落で需給は若干改善!?

供給が上回る状態が続いていたが、原油価格の急落で需給は若干改善!?

ではなぜ供給が増えたかということですが、これはシェールガス開発により米国の供給量が増えたことが大きな原因と思います。下記は国(地域)別の原油の供給量推移ですが、米国は2012年頃から大きく伸びていることが分かります。なお、OPECは横ばい、北海油田は減少傾向にあることも確認できます。
米国の供給量がシェールガス開発により大きく伸びる

国(地域)別の原油供給量推移比較(百万バレル/日)。米国の供給量がシェールガス開発により大きく伸びていることがわかります。

一方で、消費はどうでしょうか? 下のチャートが国(地域)別の原油消費の推移ですが、やはり新興国の需要が伸びているようです。ただ、中国の伸び率は依然と比べるとスローダウンしていることが伺えます。
国(地域)別の原油消費量推移(百万バレル/日)。新興国の需要が伸びています。

国(地域)別の原油消費量推移(百万バレル/日)。新興国の需要が伸びています。

では結局、原油価格は今後どうなって行くのでしょうか?次のページも必見です!
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