散歩/昭和を振り返る散歩ルート

閉店・移転するニユートーキヨー数寄屋橋本店へ

再開発にともなって、77年間営業をし続けたニユートーキヨー数寄屋橋本店のビルが取り壊される。最後の約一ヶ月、さまざまなキャンペーンが行われるそうだ。かつては銀座のランドマークであった老舗ビアホールでいただく「復刻ビール」と「カミカツ」は絶品だった。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

77年の歴史に幕を閉じる老舗ビアホール

ビアレストランの老舗であるニユートーキヨー数寄屋橋本店が閉店すると聞いて、えっ、と思った。よく聞けば、数寄屋橋本店ビルが再開発によって取り壊されるので、移転するのだそうだ。

今はこの周辺にも高いビルがずいぶんできたけれど、かつて、この本店ビルは銀座のランドマークでもあった。今の地に初代のビルを建てて創業したのが1937年(昭和12年)のことだ。
いま見てもモダンなかんじの建物だ

1937年(昭和12年)に創業した当時のビル

地下1階がドイツ風ビアホール、1階が大ビアホール、2階が和食堂、3階がすきやき、4階は喫茶とビアテラス、5階が事務所。このビルの脇には江戸城外濠があり、そこには数寄屋橋がかかっていた。数寄屋橋といえば、1952年(昭和27年)に大ヒットしたラジオドラマ「君の名は」の舞台でもあった。今はもう橋ははなく、交差点にその名前を残すくらいだ。

その後、1957年(昭和32年)にビルが建て替えられ、地下2階、地上9階建ての今の本店ビルが完成した。
やはり、十分にモダンな建物だ

1957年(昭和32年)に建てられた現在のビル

そして、1978年(昭和53年)に今のレンガ造りのビルに改装された。後述するが、ニユートーキヨー数寄屋橋本店にとって、この年は大きなターニングポイントとなっている。当時の写真がこちらだ。
今の煉瓦造りだ。映画「女王蜂」の看板も見える

1978年(昭和53年)に改装されたニユートーキヨー本店ビル

1978年(昭和53年)に公開された映画「女王蜂」の看板も見える。今もこのビルにはTOHOシネマズ有楽座という映画館が入っているが、取り壊しにともない閉館が予定されている。
生バンドが演奏していたりする

昭和50年代ごろのビアガーデンの様子

当時のビアガーデンはこんな雰囲気だった。生バンドが入っていたりして、今とはまた違う魅力に満ちた場所だったんだね。そんな77年のニユートーキヨーの歴史に幕を閉じることになった。ちなみに今のビルの姿はこちら。
閉店のお知らせなどがビルに貼られている

こちらが、現在のニユートーキヨー数寄屋橋本店ビル

有楽町電気ビルに3月の上旬に引っ越すなどの垂れ幕があった。この姿もあと1ヶ月ほどだ。

【関連サイト】
大庭秀雄監督『君の名は』 真知子と春樹の数寄屋橋の出会いと別れ - YouTube
女王蜂 - 作品 - Yahoo!映画

ニユートーキヨー数寄屋橋本店ビルへの動画

次ページでは、林家たい平師匠によるカウントダウン時計点灯の様子を紹介します。

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