特定ターゲットに絞った端末を用意
携帯電話の販売が最もにぎわう春商戦。その春商戦に向けて、KDDIは1月19日にauブランドの新製品・サービス発表会を実施しました。冬に「au VoLTE」のサービス開始を発表したauですが、au VoLTEの目玉機能の1つとなっている、画面や位置を共有しながら通話できる「シンクコール」には、サービス開始時点では対応していませんでした。ですが1月29日にシンクコールの提供が開始されたことで、本格的にau VoLTEの拡大を進めるべく、auは春商戦向けにau VoLTE対応端末を3機種追加。冬モデルの2機種と合わせ、合計5機種と充実が図られています。
ですが、auの春商戦における戦略において、最も大きなポイントとなっているのは、ターゲットを絞った細分化です。auは今回、スマートフォン4機種とフィーチャーフォン2機種、Wi-Fiルーター1機種を発表していますが、その多くが特定のターゲットに向けたものとなっているからです。
細分化の傾向を象徴しているのがスマートフォンの「BASIO」と「miraie」です。BASIOはシニア向け、miraieは子供向けと明確にターゲットが設定されており、機能やサービス、さらに料金体系に至るまで、それぞれのターゲットに特化した内容となっているのです。
こうした戦略をとるようになったのには、auだけでなく各キャリアのスマートフォン契約率が伸び悩んできたことが挙げられます。キャリアは従来、iPhoneなど少数の端末で、いかに多くのユーザーを獲得するかを重視した競争を繰り広げていました。ですがスマートフォンに移行するユーザーが50%を超える前後で急速にブレーキがかかり、従来の取り組みだけではスマートフォンへの乗り換えが進ないことがはっきりしてきたのです。
それに伴って端末の販売も伸び悩みつつあることから、auは春商戦に当たり、特定の年齢や、特定の嗜好を持つ層にターゲットを絞った端末を投入することで、市場活性化を図る狙いがあるようです。
次は「アップグレードプログラム」について説明します。