裸祭りに参加する前に知っておくべきこととは?
黒石寺蘇民祭 (写真提供:岩手県)
この時期、全国各地で行われる「裸祭り」。岡山県の西大寺で「会陽(えよう)」(2015年は2月21日)が、岩手県では「黒石寺蘇民祭」(2015年は2月25日)がそれぞれ行われ、全国から大勢の男たちが集まります。
昔は地元の人しか参加せず、長老や先輩から口伝で受け継がれる裸祭りの「ノウハウ」や「心構え」。現在では健康な男性であれば地元民でなくても誰でも参加できる裸祭りが全国的に広がりました。その結果、受け継がれるべき心構えなどを知らずに参加し、「文字通り」大けがすることも。
今回、全国のどんな裸祭りにも対応できる、基本の心構えを3つご紹介します。しっかり読んで気合いを入れて参加しましょう。
1.裸祭りは「裸になりたい人のための祭り」ではない
伝統的な裸祭りは、いわゆる裸になりたい趣味の人が集まり、裸になるのを楽しむ、というイベントではありません。それを知らずに浮かれて参加すると、つまみ出されるか、最悪の場合、事故やけがなどの原因にもなりかねません。では何のための祭りか。大きく分けて2つあります。ひとつは「禊(みそぎ)で身や心を清めるため」、もうひとつは「幸せになれる何か(お守りなど)を奪い合う競争」です。前者には、池ノ上みそぎ祭(岐阜県)や神田明神寒中禊がまん会(東京都)など、後者には、西大寺会陽(岡山県)や黒石寺蘇民祭(岩手県)などがあります。
なぜ裸になるのかといえば、みそぎで海や川などに入るため裸になる場合や、もみ合いで着物がボロボロになるのを防ぐため裸になるなどといった理由があります。
2.しきたり・ルール・参加方法を調べよう
一般参加可能な大きな祭りであれば、参加方法は、祭りの公式サイトや個人の祭り好きサイトなどで事前に調べてから行くことができます。「(祭り名) 参加」というキーワードで検索すると参加方法などが出てくるでしょう。
特に、以下のことを重点的に調べましょう。
・祭りの起源や意味合いや目的
・事前申し込みや「参加登録」が必要かどうか
・参加に必要なもの(参加費・持参品など)
・集合場所や着替え場所
・着替えたあとの行動(何時にどこへ行けばいいのか)
・禁止事項はなにか
・遠方の場合は、交通や宿の確保
など
まわし(褌)・白足袋・更衣場所の確保、これが裸祭り三種の神器ともいえます。一般参加可能な祭りであればたいてい、現地調達が可能です。ただし、足袋が特注サイズなど、特殊な事情のある人はあらかじめ持参しましょう。最近は、一般参加用の着替え場所が混雑するようになってきました。早めに行きましょう。
一人で参加するとき、最大の難関は「まわし・褌を締める」ことかもしれません。一般参加可能な祭りであれば、着替え場所のなかに手伝ってくれる人がいることが多いので、お願いしてみましょう。
地下足袋がおすすめの祭りもあれば、西大寺会陽のように「地下足袋禁止」を明確に示した祭りもあります。祭りといえば「お酒」がつきものですが、裸祭りの参加前に酔うほど飲むと、間違いなく事故の元です。褌・まわしをきりりと締めれば、裸になる気合いが入るようになっています。お酒は、裸祭り終了後に美味しくいただきましょう。
あと、「参加登録」を求められる祭りも増えてきました。西大寺会陽では、公式サイトにてWeb登録ができるようになっています。黒石寺蘇民祭では、蘇民袋争奪戦に参加する人を対象に、当日午前0時から現地で登録を求められます。登録していないと、仮に宝木や蘇民袋を得ても「福男」になれないこともあります。緊急時の連絡などにも必要なので、登録を呼びかけている祭りでは、必ず登録しましょう。