「別れたい」と思うのはどんなとき?
別れたいと思うのは、他に好きな人ができたとき、相手を信頼できなくなったときなど、人によっていろいろだと思う。理想はきれいな別れだけれど
チカさん(31歳)はそう言う。まるで天から声が降ってくるかのように。
「たぶん、つきあっていてもうあんまり楽しくないな、この人と一緒にいても先の展望が見えないなと潜在意識で思うんでしょうね。それが積もって、ある日突然、もういいやとなる。ただ、それを相手にどう伝えるかがむずかしい。嫌いになったわけでも、他に好きな人ができたわけでもないから。それでも、申し訳ないけどひとりになりたい、と伝えます」。
以前、チカさんは自分の気持ちに蓋をして、「もういいや」と思った人とつきあい続けたことがある。その結果、ストレスがたまりすぎて体調を崩した。
「別れたい」と思ったら、別れたほうがいいのだと思う。ひとりになるのが怖いとか、相手に悪いからなどという理由で続けているのは、自分と相手と恋に対して、かえって失礼になるのだから。
きっぱりと、だが感謝を込めて
しかしこのご時世、別れるのもむずかしい。相手を怒らせずに、できれば恨まれずにきれいに別れるのは至難の業かもしれない。私が聞くところによると、特に不倫関係の場合、メールで別れを告げる男性も多いのだが、これは女性の怒りに火をつけるので注意したほうがいい。男性は、自分が悪者になりたくない気持ちが強いのか、目の前で騒がれるのが怖いのか、直接会おうとしないケースが目立つ。
だが女たちは思うのだ。
「せめて今まで好きだった気持ちを、最後の最後で軽々しく扱わないでほしい」
と。
目の前で泣くかもしれない、多少は騒ぐかもしれない。だが、おそらく、女たちは(男もそうかもしれないが)、恋をしている間に、薄々ながらも恋を失う準備はできている。いい関係だったら、おそらく互いにそうした心構えはあるはずだ。
お互いに好きだったのは事実。大人なら、最後まできれいごとで終わらせる必要もある。未練を残さないために、独身同士だったらお互いに罵り合って別れるのも悪くはないが、どろどろになりやすい不倫関係だとしたら、話は別。
「今までありがとう」
お互いにそう言い合って握手のひとつもして別れるのも、いい思い出になるのではないか。
そして、いつそんな別れがきてもいいように、日々、お互いを精一杯愛することができたら、それは恋をまっとうしたと言えるのではないだろうか。
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