ひねりすぎない
続いて『ウロボロス~この愛こそ、正義。』と『銭の戦争』の復讐もの二つ。こういうテーマはひねりをきかせがちで展開に無理が生じることがよくあります。しかし『ウロボロス』『銭の戦争』両方ともそれほど奇をてらわず、安心して見られ、また途中から見てもわかりやすいストーリーが特徴です。ほぼ同じ位置に『流星ワゴン』がありますが、こちらは期待の高さからすると失敗でしょう。ストーリーはいいと思いますが、『半沢直樹』スタッフによる演出があってない感じ。目が血走っている西島秀俊に昭和のおっさんの忠さん・香川照之の演技とか熱演過ぎて、見ている方が引いてしまいます。ドラマを見るより評価の高い原作を読んだ方がいいかと思ってしまいます。
前クールで『素敵な選taxi』があったのもマイナス。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ぽく過去へいく流星ワゴン、『選taxi』では「性能が低い」といわれていました。
いがみ合い
ハズしているほうで特徴的なのはフジテレビの二作。職場の男性からのハラスメントに女性が反撃する『問題のあるレストラン』と育児に自覚のない夫(玉木宏)に妻(倉科カナ)がキレる『残念な夫。』。両方とも問題意識としては正しいと思うのですが、いがみ合う男と女の姿が見苦しく、コメディとして消化しきれていないですね。『問題のあるレストラン』は第一話の『キル・ビル』風復讐とか、第二話の鏡子(臼田あさ美)の夫との対決など山場では魅せるものの全体としては楽しめません。『残念な夫。』は妻のキレ方がすごすぎて、どっちが悪いのかわからなくなってしまいます。
輝けるのか?
冬ドラマ全体を見て思うのは多くは「女性が輝く社会」に対する問題点を描いているような気がします。恋愛、結婚の『○○妻』『デート』、ハラスメントの『問題のあるレストラン』、育児の『残念な夫。』。他にも認可外保育園が舞台の『保育探偵25時』やイクメン刑事の『警部補・杉山真太郎』、『全力離婚相談』などもそうでしょうか。
地上波のゴールデンタイム、プライムタイムの連ドラ以外でおすすめなのはNHK BSプレミアム日曜22時の『だから荒野』。鈴木京香演じる主婦が身勝手な家族と別れ、旅にでます。荒野なのは世間なのか、それとも家庭なのか?考えさせられるドラマです。