安価ですぐに食べられるジャンクフード。体に悪いと言われるけれど上手な食べ方はないのでしょうか?
ジャンクフードの何が悪い?
「何が悪いって、体に悪いに決まってるじゃん」、そんな声が聞こえるような気もしますが、せっかくの機会ですので「体に悪い」という部分をもう少し掘り下げてみましょう。ジャンクフードが「ジャンク=がらくた」と呼ばれるゆえんは、その栄養素の偏りにあります。比較的原材料の種類が多いと思われる、ハンバーガーを例にとって考えてみましょう。
バンズ(パン)、ハンバーグ(肉、つなぎの卵、たまねぎ)、レタス1枚、たまねぎの薄切り、ピクルス(きゅうり)、ソース、ケチャップ、マヨネーズ。
見ての通り、原材料にはそこまで体に悪いものは入っていません。材料を安価で手に入る発展途上国から輸入していることから、その由来がはっきりしないという点では不安は残りますが、そもそも「栄養素のバランスが悪い」ことが一番の問題なのです。
ジャンクフードに含まれる栄養素を見てみよう
ハンバーガーショップで注文するモノといえば、「○○ハンバーガーセット」という人が多いのではないでしょうか。皆さんおなじみのハンバーガーとドリンク(コーラに代表されるような清涼飲料水)とポテトのセットですよね。このセットの原材料に含まれる栄養素をざっとおさらいします。パンとポテトが炭水化物、ハンバーグがたんぱく質と脂質、マヨネーズも原材料の半分はサラダ油です。さらにポテトは油で揚げてあります。高カロリーだということは、簡単に想像できると思います。また、重要な栄養素であるビタミンやミネラル(鉄分、カルシウムなど)がほとんど入っていません。これこそが「ジャンク(がらくた)」といわれる理由です。
実は、人間の体というのは不思議な性質を持っています。炭水化物だけ、たんぱく質だけといった単体の栄養素だけを取り込んでも、空腹は解消されません。一方、ビタミンやミネラル等を適度に含む食事はさほどの高カロリーでなくてもすぐに満腹になります。
そのため、ジャンクフードはどれだけ食べてもなかなか満腹になりません。カロリーベースで冷静に考えれば1つで足りるはずなのに、ハンバーガーを2つ食べないと物足りない……、などということが起こってしまうのです。
この食べすぎが「肥満」の元であり、ひいては「生活習慣病」を引き起こす原因になります。
さらに悪いことに、ジャンクフードは概して、濃い味付けのものが多いです。濃い味付けというのは味覚を刺激しますから、美味しく感じるのもムリはありません。人間は一度刺激を覚えると、より濃いものを求めます。これがジャンクフード中毒への入り口となるわけです。