覚悟ができている年上妻
一方で、年下の男性と結婚した女性はどうなのだろう。17歳年下の男性と結婚して2年になる会社員のアキコさん(43歳)は、「つきあって4年。彼が変わっていくのを見るのが楽しみ」だと言う。
男の成長を見守る年上妻
「知り合ったとき、彼は22歳の大学生だったんです。それでも無理して、一生懸命、私をエスコートしたり精神的にサポートしてくれたり。この4年間で、すごく成長したと思う。そして私を糧にして、ステップボードにしていくんだろうなと最近、感じています。いつか彼が若い女性を好きになったら、別れることも視野に入れていますよ。年の差があるってそういうことじゃないかと思ってる」
アキコさんは冷静な口調で話してくれた。彼のことをとても好きだし愛しているのだが、若い彼を束縛してはいけないといつも自分に課しているのだという。
「彼にべったり頼って依存してしまえば、私はラクかもしれない。だけどそれは、必死に大人になろうとしている彼の成長を阻むことになる。実は私自身、若いときに年上の男性と結婚して離婚しているんです。年の差がある結婚をした場合、年上がいかに寛容に相手を見つめることができるか、それが大事だと身をもって知っているので、彼を囲い込むようなことだけはしたくない」
経験者ならではの知恵なのだろう。だが、強靱な精神力がないと、アキコさんのような考え方はできないとも思う。
年上妻が、年下夫にすがることも多々あるだろうから、これはあくまでも一例に過ぎない。ただ、傾向として、さまざまな場面で、「男はより幼くなり、女はより大人になっている」と感じることが多い。いい悪いの問題ではなく。
年の差が大きい結婚をした場合、男女関係なく、年上のほうがいろいろな不安を抱えていくのだろう。気持ちも体も老いていくことへの恐怖を抱いても、配偶者にはまったくわかってもらえないことも多いはず。結婚生活を経れば経るほど、気持ちが添わなくなっていくのかもしれない。
「愛があれば年の差なんて」
そう思いたいけれど、現実はそううまくはいかないのかもしれない。