【2014年】ソチ五輪、世界選手権での活躍。
そして、多くの選手たちの引退後のシーズンがスタート。
2013-14シーズン、日本フィギュアスケート界にとってのハイライトは、やはり、2月のソチ五輪でした。なかでも、男子シングルの羽生結弦選手の優勝と、女子シングルの浅田真央選手のフリーの演技は、忘れられません。
その1か月後の世界選手権では、羽生、浅田両選手が優勝を果たしています。日本人選手のアベック優勝は、高橋大輔さんと浅田真央選手が優勝した2010年に続いて2度目のこと。また、この大会の優勝により羽生選手は、このシーズン、グランプリ・ファイナルと五輪、世界選手権と大きな大会すべてを制したことになりました。
その後、浅田選手は休養を宣言し、鈴木明子さんが引退、高橋大輔さんも10月に引退を発表しました。
くわえて、安藤美姫さんや織田信成さんもいない2014-15シーズンが、10月に本格的スタート。
シーズン前半戦のひとつの結果でもあるグランプリ・ファイナルでは、気迫のこもった演技で、羽生選手が優勝しました。11月には、中国杯で他選手と激突した負傷後、体調が戻るかどうかぎりぎりの状態で出場したNHK杯を経て、6番手として出場したグランプリ・ファイナルでの素晴らしい演技でした。全日本選手権でも、羽生選手が優勝。3連覇して完全復活したかに見えた直後、尿膜管遺残の手術を受け、数週間の入院ののち、先日無事に退院したとのことです。波乱のシーズン序盤ではありましたが、昨シーズン後半から定着した羽生選手の圧倒的な強さが群を抜いています。
全日本選手権では、もうひとつ大きな出来事がありました。現・世界選手権銀メダリストの町田樹選手が突然の引退を表明。4月からの早稲田大学大学院への進学を最優先するため、世界選手権を辞退し、関係者やファンに激しく惜しまれる中、競技の場から去っていきました。
また、嬉しい出来事も。NHK杯で優勝した村上大介選手が、ここぞというときに力を発揮できる選手になってきました。
女子シングルでは、高校2年生の宮原知子(さとこ)選手が全日本選手権で初優勝したり、本郷理華選手がグランプリ・ファイナルに出場したり……日本のトップの顔ぶれが、がらっと変わった印象です。
さらに、ジュニアの選手たちもがんばっています。ジュニアグランプリファイナルには、男子では宇野昌磨選手と山本草太選手の2名、女子では、樋口新葉選手、永井優香選手、中塩美悠選手の3名が出場しました。全日本選手権でもこの5選手は、年上のシニアの選手たちの中で健闘し、宇野選手は2位に、樋口選手は3位となっています。
もちろん、グランプリ・ファイナルに出場した無良崇人選手や、全日本選手権でファンを涙させた小塚崇彦選手、全日本選手権で悔し涙を流した村上佳菜子選手には、ニューフェイスにはない、成熟した、見る人の心に訴えかける力があります。
くわえて、アイスダンスでは、例年3-4組ほどの出場にとどまっていた全日本選手権に、7組ものカップルが出場。フィギュアスケートの新しい息吹を感じさせています。