消化不良の白星スタート
4対0で快勝した日本代表だが、選手たちは後半の戦いぶりの反省点をあげた。
現地のオッズは日本の勝利が1・15倍、引き分けが7倍、パレスチナの勝利が15倍である。試合前から勝利は約束されているようなものだった。
果たして結果は、4対0だった。前半だけで3点を奪ったものの、後半はチャンスを生かしきれずに1点を追加するにとどまった。試合後の選手たちは、後半の戦いぶりを反省点にあげた。
キャプテンの長谷部誠(30歳、フランクフルト/ドイツ)は、「勝ったことは良かったですけど、試合を通して言えばまだまだ満足できるものではないし、試合後のロッカールームでも誰ひとり満足していなかった」と語った。さらに続けて、「後半はゲームの行方がほぼ決まっているなかで、僕も含めて小さなミスがホントに多かった。そういうところでたたみかける気持ちや集中力が欠けていたと思います。もしかしたらグループステージが得失点差で決まるかもしれないし、試合を通してしっかり集中してやりきることができなかった」と、後半の戦いぶりに触れている。
右サイドバックの酒井高徳(23歳、シュツットガルト/ドイツ)も、ミスの多さを指摘した。古傷の治療で大会に参加しない内田篤人(26歳・シャルケ/ドイツ)に代わって、今大会では彼が最終ラインの右サイドを担っている。
「僕もそうだしチームとしても、時間帯によって簡単なミスとか簡単にボールを奪われてしまった。それでも相手のチャンスにならなかったシーンが多かったですが、これから対戦するイラクとヨルダンは、それをちゃんとチャンスにしてくるチームだと思う」
彼らの皮膚感覚に曇りはない。間違いなく正しい。
ミスが多かったのは事実だ。パレスチナは後半途中に退場者を出しており、日本代表は11対10の数的優位で20分以上を戦った。ゴール数を上回る決定機を作り出しただけに、選手たちが自戒を込めて振り返るのもしかたがないところがある。
だからと言って、我々が心配することはない。
大会の初戦としては、申し分のない内容だった。