京都・錦市場「伝説の匠」の寿司がようやく復活!

看板

奥様の名前からとった店名


京都のグルメに詳しい方なら「ひご久」という名前を聞いて、「あれ、以前見たような?」と思う方も多いのではないでしょうか。そう、錦市場にあった寿司屋で、以前にオールアバウト内でも紹介したことがあるお店です。実はこちらのお店、ご主人の肥後さんが進行性難病である後縦靭帯骨化症を発症。やむなくお店を閉め、手術をされて治療を続けられていたのですが、リハビリの後、2014年9月に現在の仏光寺堺町に移転し、復帰されたのです。

お店の話とは少し離れてしまいますが、肥後さんの病気は治療法がみつかっていない難病で、復帰は厳しいと思われていたそうです。しかし肥後さんは「寿司職人として、もう一度板場に立ちたい」という一心できついリハビリにも耐え、自ら水泳や軽い筋トレを行うなどして、この度見事復帰となりました。病院関係者がお店にいらした際、肥後さんの晴々しい姿を見て、涙を流されたそう。療法士が感心するほど肥後さんの回復力は早く、その一番の支えとなったのは愛する家族、そして「寿司をもう一度握りたい」と思う、肥後さんの寿司への愛情だったのです。

そんな肥後さんの愛と情熱が詰まった新しいお店は、京都のメインストリート・四条烏丸から通りを少し入った場所にあります。町は穏やかで落ち着いた町の空気が流れていて、犬の散歩をする人や、お年寄りが手押し車を押して挨拶を交わす姿、小学生が賑やかにおしゃべりしながら下校するといった「京都の日常」を身近に感じることができます。

お店のある場所は90年前、肥後さんの奥さまのおじいさま、ご両親が生活していた界隈で、肥後さんは初めて訪れた際、「懐かしさを感じた」と言います。以前のお店はビルの二階でしたが、今回は路面店。年配の方や、体の不自由な方の来店も容易になりました。物件は昭和8~9年に建築したと思われる築80余年の4軒続きの長屋。「ひご久」以外のお店は「ガルガンチュア」(フレンチバル)、「たいら」(割烹)で、お店同士が皆仲良しというのも長屋ならではの様子ですね。

内観

カウンター9席のみの小さな寿司屋


店内は9席のみ。貸切の場合だけ10席まで可能です。コンパクトながらも、京都らしい風情が漂う内観で、隠れ家的な雰囲気があって、非常に落ち着きます。夫婦で営む家庭的な寿司屋にぴったりです。肥後さんの「食と笑顔と会話を楽しんで頂きたい」という思いが自然とお客様に伝わるのか、訪れた日に席を隣り合わせたご家族も、とびきりの笑顔で寿司とお酒を楽しんでいました。

さあ、お待ちかねのお料理の内容です。新店舗になり、変わったのは8000円のコースで提供するようになったこと。基本はコースですが、一品のみまたは鮨のみの客様にも対応してくれます。内容は季節によって変わるので、季節ごとに「ひご久」の味を堪能できるというのもファンにとっては嬉しいところ。コンセプトは以前から変わらず、「しゃりは出来るだけ精米仕立てのもの」、「魚は産地にこだわるのではなく、良いものを仕入れる」、「お客様に合わせて、しゃりやネタの大きさを変える」、「お飲み物に合わせた一品を提供する」といった風。この思いは、実際に料理を食べてみると良くわかります。