味にうるさい西陣の旦那衆の隠れ家的・洋食店「スケロク」

看板

控えめな看板が好感度大な「スケロク」

安産祈願で知られるわら天神、桜の名所の平野神社、梅の名所の北野天満宮と、3つの神社に囲まれるように建つビフテキと洋食の店「スケロク」。創業は1954年で、洋服よりも着物が全盛だった頃から「だんなはん」と言われる西陣の旦那衆に愛され、今もなお美食家の西陣の旦那衆、マダム達が通うお店として知られています。

実はこちらのお店、呉服問屋二代目の私の義父もこよなく愛した店で、今でも家族揃って出向きます。義父同様、夫もこちらのお店が大好きで、少しでも間が空いてしまうと「スケロクさんに行きたいなあ」とぼやくほど。時代、そして世代を越え、人の心をつかんでしまうお店。そんな「スケロク」は京都観光の穴場グルメとしてもおすすめです。魅力をとくとお伝えしましょう。

味を伝承しながら、時代に合った味への変革

厨房

厨房は夫婦二人で切り盛りする。


厨房を切り盛りするのはシェフの浅井良清さんと、奥さまの二人。客席から厨房が見える作りになっているのですが、息の合った夫婦の連携プレーは見ていて気持ちいいほど。常に客席にも目配りしながら、テキパキ動く様子は、「さすが長年連れあった夫婦だなあ」と感心してしまいます。

浅井さんがお父様からお店を引き継いだのは1991年のこと。フランスで料理の腕を磨いた経験のある浅井さんは、お店に新風を吹き込もうと躍起になった時期もありましたが、最終的に行き着いたのは今のスタイル。それが「父の味を継承しつつも、時代にあった味に変化させてゆくこと」だったのです。浅井さんによると、当初は非常に味が濃かったそうですが、何年もかけ、お客様に気づかれないよう、「味が変わった」と言われないよう、徐々に今の味にしたそう。

浅井さんが料理人として大事にしているのは「丁寧に調理すること」。どんな料理でも作り置きしないことが、浅井さんのポリシーです。これを聞くだけでも、料理の味が想像できますよね。もっとお伝えしたいことはあるけれど、前置きはこのくらいにして、次ページから絶品の料理を紹介しましょう。