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金沢で[3.11以後の建築]を開催中

現在、金沢市の金沢21世紀美術館で[3.11以後の建築]が開催中です。3.11の東日本大震災以後の建築家の意識の変化と実例を通して、社会と建築家の新しい関係を探る展覧会です。

執筆者:川畑 博哉

現在、石川県金沢市の金沢21世紀美術館で、[3.11以後の建築]が開催中です。
本展は、ゲスト・キュレーターに建築史家・建築評論家の五十嵐太郎氏とコミュニティデザイナーの山崎亮氏を迎え、2011年3月11日の東日本大震災以後の社会の変化に自分なりの考え方や手法で向き合う25組の建築家の取り組みを、「みんなの家」「災害後に活動する」「エネルギーを考える」「使い手とつくる」「地域資源を見直す」「住まいをひらく」「建築家の役割を広げる」という7つのセクションを設けて紹介しています。
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開館10周年記念特別展 ジャパン・アーキテクツ
3.11以後の建築

会期:2014年11月1日[土]~ 2015年5月10日[日]
開場:10:00-18:00 (金・土曜日は20:00まで)
休場日:月曜日、1月13日[火]、5月7日[木]
料金:本展観覧券 一般=1,000円(800円)大学生=800円(600円)
小中高生=400円(300円)65歳以上の方=800円
「ジャパン・アーキテクツ1945-2010」展との共通観覧券
一般=1,700円(1,400円)大学生=1,400円(1,100円)
小中高生=700円(600円)65歳以上の方=1,400円
※( )内は団体料金(20名以上)及び前売りチケット料金
会場/お問い合わせ:金沢21世紀美術館 石川県金沢市広坂1-2-1
TEL=076-220-2800 URL=http://www.kanazawa21.jp/
主催:金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]

1. 「みんなの家」

伊東豊雄、妹島和世、山本理顕らが中心となって活動する「帰心の会」が提唱したプロジェクト「みんなの家」は、2011年10月の仙台市内を皮切りに、これまでに被災地各地につくられています。ここでは「第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」でその設計プロセスを展示し、最高賞にあたるパヴィリオン賞を受賞した陸前高田の「みんなの家」を中心に展示しています。
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伊東豊雄、乾久美子、藤本壮介、平田晃久、写真家・畠山直哉が協働して実現させた、陸前高田の「みんなの家」の10分の1の模型と畠山直哉氏のドキュメント写真。
 

2. 「災害後に活動する」

ここでは、災害支援のエキスパートでもある坂茂によるニュージーランドの「紙のカテドラル(クライストチャーチ)」と避難所の「簡易間仕切り」、東日本大震災における建築家の復興支援ネットワーク[アーキエイド]、豪雪地帯の福島県南会津の山奥に事務所を構える「はりゅうウッドスタジオ」の活動、日建設計ボランティア部がまちの人と一緒につくった災害時の避難地図「逃げ地図」などを通して、災害後の建築家の取り組みを展示しています。
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坂茂の紙管を組み合わせた「簡易間仕切り」と「紙のカテドラル」の50分の1の模型。
 

3. 「エネルギーを考える」

近年の建築の分野でも重要視されているエコロジーやサスティナブル(持続可能性)デザイン。ここでは、三分一博志の空気や水の動きも建築の要素とした設計や、美しさや快適さを犠牲にしない「真のエコ住宅」の開発を目指す竹内昌義らの設計手法、日建設計の山梨知彦らの、コンピュータでエネルギーの流れや避難経路のシュミレーションを行ったオフィスビル「NBF大崎ビル」の事例が展示されています。
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三分一博志の機械空調を全く使わない「犬島精錬所美術館」のコンセプト模型。
 

4. 「使い手とつくる」

ここでは、公共施設を多く手掛ける新居千秋が、ワークショップを通して地域の人々をプログラムづくりに参画させた「文化交流館カダーレ」、東洋大学の工藤和美と藤村龍至が、行政と酒製会社が一体となる建築学科のプロジェクトとして取り組んだ「鶴ヶ島太陽光発電所・環境教育施設」の設計プロセスや、乾久美子とコミュニティデザイナーの山崎亮が二人三脚で取り組んだ「延岡駅舎」でのユーザー参加型の設計手法の試み、青木淳とエンデザインによる新潟県十日町の「まちなかステージ」などを通して、公共施設を使い手と共に考える建築家の取り組みが展示されています。
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「鶴ヶ島太陽光発電所・環境教育施設」の設計の過程でつくられた東洋大学の学生によるプロセス模型が大テーブルに並ぶ。
 

5. 「地域資源を見直す」

ここでは、地方創生時代のコミュニティアーキテクトのひとつのあり方を示す徳島県神山町での「バスアーキテクツ」の活動、浜松に拠点を置き地方都市の既存の資源を巧みに活用している「403architecture[dajiba]」、本展を機に結成された3人の建築家による「金沢都市再編計画2014」、大阪のBMC(ビルマニアカフェ)が金沢市内の1950~70年代のビルを対象に行った「金沢まちビル調査」を通して、新しい地域密着型建築家の姿を紹介しています。
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バスアーキテクツの「えんがわオフィス」
Photo:TAJIRI Teruhisa(『EMAC』vol.2より転載)
 

6. 「住まいをひらく」

ここでは、光嶋裕介の設計による哲学者で武道家の内田樹氏の住居と合気道の道場を兼ねた「凱風館」、シェアハウスに意欲的に取り組む成瀬・猪熊建築設計事務所の事例「LT城西」、ブルースタジオの居住者同志あるいは近隣とのコミュニケーションの構築を目指した、団地の再生や集合住宅といった、地域に住まいをひらいた3つのケースを紹介しています。
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成瀬・猪熊建築設計事務所の「LT城西」の室内。Photo:西川公朗
 

7. 「建築家の役割を広げる」

ここでは、「西村浩+ワークヴィジョンズ」や、建築と不動産を横断する「東京R不動産」、プロダクトデザインでも活躍する「トラフ建築設計事務所」、コンクリートビルをセルフビルドする岡啓輔など、建築物の設計だけでなく都市計画や土木や不動産やプロダクトデザインといった、周辺分野でも活躍している建築家を紹介しています。
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トラフ建築設計事務所+石巻工房の作品と、原寸大に引き伸ばされた岡啓輔の「蟻鱒鳶ル」(ありますとんびる)のファサード。


関連書籍も出版

本展の内容を網羅した書籍も学芸出版社から出版されました。より詳しく知りたい方は、ぜひご購読下さい。
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3.11以後の建築 社会と建築家の新しい関係
編著:五十嵐太郎・山崎亮 発行:学芸出版社
判型:A5判 頁数:240頁 価格:2,200円(税別)
※金沢21世紀美術館のミュージアムショップでも取扱っております。
TEL=076-236-6072
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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