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全日本選手権の持ついくつかの側面

12月26日から長野で全日本選手権が始まります。日本で、フィギュアスケートに携わっているすべての人にとって、とても大切な大会です。

執筆者:長谷川 仁美

12月26日から長野で全日本選手権が始まります。

その名の通り、日本で一番大切な、日本一を決める大会。日本で、日本人でフィギュアスケートに携わっている人すべてにとって、とても大切な大会です。

ですから、全日本選手権に出場するだけで、とても名誉のあることですし、いろいろな側面を持つ大会でもあるのです。

シーズン後半の世界選手権や四大陸選手権など
出場選手の選考の場のひとつ

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トップの選手たちは、シーズン後半の世界選手権にどうしても出たい。その前の四大陸選手権にも出場したい、という思いを持っています。どちらの大会も男女シングルとも各3枠がありますので、この大会でいい成績を残して、こうした大会への出場資格を手にしたいと考えています。

そのためには男子選手であれば、ショートプログラムでも4回転を、フリーでは1~2つの4回転を入れてきます。女子選手は3回転+3回転の出来などもとても重要です。

男子シングルでは、12月上旬のグランプリファイナルで優勝した羽生結弦選手に3連覇がかかっていますが、それを意識せず「この試合はこの試合だ」と、1つひとつを確実に演じていく気持ちです。グランプリファイナル5位の無良崇人選手は、大きく飛躍した昨シーズンを経て、今シーズンは世界トップスケーターのひとりとして、ダイナミックで雰囲気のある選手としての認識を高めてきました。

グランプリファイナル6位の町田樹選手は、卒業論文の執筆も落ち着き、今年のプログラムのテーマ「極北(物事が極限まで達したこと)」のひとつの極みを見せてくれるでしょう。世界選手権銀メダリストの経歴を持つ小塚崇彦選手も、大人の男の香りを漂わせるフリーで、今シーズンの遅れを巻き返します。

NHK杯で優勝した村上大介選手も、初めての表彰台を狙っています。ジュニアグランプリファイナルで優勝した宇野昌磨選手は、ショートプログラムもフリーもシニア仕様のプログラムに変えてきました。

女子シングルでは、ジャンプの跳びすぎによる減点もあってグランプリファイナルに出場できなかった村上佳菜子選手も、この大会に向けて「狂ったように練習してきた」そうです。グランプリファイナル6位だった本郷理華選手は、大舞台に気おされない大きな演技を見せるでしょう。

宮原知子選手は、ジャンプで減点されないよう、きちんと踏み切って着氷できる練習を積んできました。スピーディなのに可憐な演技を見せる今井遥選手や、NHK杯のフリーでノーミスのダイナミックな演技を見せた加藤利緒選手にも注目したいですし、ジュニアグランプリファイナル3位の樋口新葉選手は、中学2年生でこの大会は初出場ですが、スピード感と気持ちのいいジャンプで大会を盛り上げるでしょう。

ペアでは2組、アイスダンスはなんと7組も出場します。
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