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全日本選手権の持ついくつかの側面(2ページ目)

12月26日から長野で全日本選手権が始まります。日本で、フィギュアスケートに携わっているすべての人にとって、とても大切な大会です。

執筆者:長谷川 仁美

大学4年生にとって「最後の全日本」という思いのこもった大会

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フィギュアスケートでは、多くの選手が、大学4年生で競技から引退します。そのため、彼らにとっては、この大会が最後の全日本選手権になります。

全日本選手権の第1、2グループで演技する選手たちは、試合で4回転やトリプルアクセルを入れることはほとんどありません。3回転+3回転、難しい種類の3回転+2回転を入れることを目指してここに来ています。

2年前の全日本選手権で、当時大学4年生で引退シーズンを迎えていた堀之内雄基さんは、「僕は世界選手権に出るような選手ではなかったけれど、僕には僕の目標があって、それに向かって一生懸命練習してきました」と話していました(彼の場合は少し特殊で、最後の全日本選手権で、ショートプログラムの自分の演技数分前にブレードが折れてしまい、その大切な舞台で演技をすることができなかったため、彼も観客も悔しい思いを味わうことになりました)。

こうした選手たちの演技は、普段テレビ放送などで見ている選手たちの演技内容とは違っています。それでも、(この後に国体などがある選手も多いのですが)全日本選手権という大きな大会で最後に最高の演技をしたい、と練習を続けてきた選手たちの演技には思いがこもっていて、たとえその選手のことを知らなくても、見ている私たちの胸や目頭を熱くさせることが少なくありません。

今大会、大学4年生は6人エントリーしています。(すべての大学4年生が引退するとは限りませんし、ここを最後の全日本と決めている24歳の石川翔子選手のような存在もあります)

日々の鍛練を経て、たどり着いた場所

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ここに出場してくる選手の多くは10代後半~20代前半。ここにたどり着くまで、何年間も毎日スケートリンクに通い、1日に何度か硬く冷たい氷に尻もちをつき、立ち上がって、また滑り続けてきました。

全日本選手権は毎年12月終盤に開催されるため、クリスマスだから、冬休みだから、という世間の華やぎを横目に、ただ一生懸命に、冷えたリンクで鼻や頬を真っ赤にしながら滑り続けて、この舞台に立つこの日を迎えました。もちろん、これは彼らが選んだ道ですが、それでもそんな日々を経てここに出場していることを思うと、選手全員がスタートポジションに立った姿を見るだけで、胸が熱くなります。

ですが、厳しい現実もあります。26日(金)の男子シングルショートプログラムや27日(土)の女子シングルショートプログラムでは、下位6名の選手がフリーに進めないことになります。練習してきたフリーを見せることができないこともあるのです。上位選手たちの熱い戦いにはもちろんわくわくしますが、こうした、フィギュアスケートの別の側面を十分に味わえるのも、全日本選手権の醍醐味です。

それぞれの目標があって、それぞれにそれを目指してきた結実の集合が、この全日本選手権なのです。


<全日本選手権の競技日程>
12月26日(金)
16:25~ 男子シングルショートプログラム
20:30~ アイスダンスショートダンス
21:45~ ペアショートプログラム

12月27日(土)
15:00~ 女子シングルショートプログラム
19:10~ 男子シングルフリー

12月28日(日)
13:30~ アイスダンスフリーダンス
15:05~ ペアフリー
15:35~ 女子シングルフリー

その後、28日(日)の21:00~世界選手権などの代表発表が行われます。フジテレビ系列で毎日放送予定です(競技日程と放送時間は同じではありません)。
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