原口と大迫は後半戦の巻き返しに期待
細貝と同じヘルタ・ベルリンに加入した原口元気(23歳)は、定位置獲得に至っていない。シーズン開幕戦でいきなり先発に名を連ねたものの、前半戦はスタメンと途中出場がほぼ半分ずつだ。持ち味のドリブル突破は一定の評価を受けているが、決定的なチャンスには結びついていない。リーグ戦ではまだ無得点だ。もっとも彼は、移籍1シーズン目である。チームのスタイルはもちろん、ドイツのサッカーにも慣れる時間が必要だ。後半戦の巻き返しが期待される。
今シーズンからFCケルンへ移籍した大迫勇也(24歳)も、新たなチームでポジションをつかむことができていない。開幕から2試合連続で先発し、2試合目で初ゴールを記録するなど滑り出しは順調だったが、その後は交代のカードとして起用されることが増えた。
ケルンは4-2-3-1のシステムを採用しており、1トップはナイジェリア代表FWウジャの定位置となっている。スピードとパワーを兼備したウジャは、タテに速いチーム戦術にマッチしている。
チームの戦い方のなかでどのように自分を生かし、周囲と協調していくか。1月の中断期間中に、浮上のきっかけをつかみたいところだ。
香川に必要なパートナー
選手のプレーはチーム状態の影響を受ける。個人の頑張りで改善できる領域には限度がある。今夏の移籍マーケットで、香川真司(25歳)がドルトムントへ移籍した。2シーズンぶりの古巣復帰は、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)での消化不良を一掃する期待に満ちていた。
ところが、香川の復活を後押しするはずだったドルトムントが、シーズン開幕から不振に喘いだ。ケガ人の続出でベストメンバーの編成に苦慮し、2部降格圏を彷徨っているのである。まさかの大不振だ。
シーズン中断前のリーグ戦で、香川は4試合連続でスタメンから外れた。クロップ監督とチームメイト、さらにはサポーターからも復帰を歓迎された日本人MFが、ベンチとウォーミングアップエリアで戦況を見つめることになるとは──誰にも予想できなかった事態である。
香川の適応を停滞させているのは、レバンドフスキの移籍に大きな理由がある。長身でボールの収まりがいいこのポーランド代表FWが最前線にいることで、香川はトップ下のポジションからゴールに直結するエリアへ飛び込んでいくことができた。しかし、レバンドフスキはライバルのバイエルン・ミュンヘンへ移籍してしまい、香川の良さを引き出す選手がいなくなってしまったのである。
ブンデスリーガの各クラブは、1月のウインターブレイク期間中にキャンプを行なう。だが、アジアカップの日本代表の招集された香川は、チームの立て直しをはかるプロセスに参加できない。
アジアの王者を争う大会で本来の輝きを取り戻し、ドルトムントでの復権につなげる。日本代表での戦いは、香川個人にとっても大きな意味を持つ。