有馬切手文化博物館について
前回の記事では、全国切手展の様子について紹介しました。今回は古湯として名高い有馬温泉(兵庫県神戸市北区)にある切手文化博物館を取り上げたいと思います。今回の記事の前半では、魅力的な常設展示や各種イベントなど、主に博物館の楽しみ方について述べたいと思います。記事の後半では、主に博物館の創設に尽力した金井宏之初代館長についてご紹介します。
切手文化博物館とは
切手文化博物館は2005年5月16日にオープンした切手・郵便に関する専門博物館です。繊維機器メーカーの金井重要工業の元社長で、世界的に有名な切手収集家である金井宏之さんが初代館長を務められました。まもなく開館10年を迎えようとしているこの博物館は貴重な常設展示のほか、定期的に主に関西方面の収集家有志による切手展などを開催しているほか、切手や手紙に親しむワークショップを定期的に行う「切手スポット」としてすっかり定着しました。
切手文化博物館の概要
有馬の切手文化博物館のアクセスや利用料などは次のとおりです。・場所:651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町663-3
・アクセス:神戸電鉄「有馬温泉」より徒歩8分、阪急バス「有馬温泉」下車徒歩7分
・開館時間:10-16時(入場は15時半まで)
・休館日:火曜日(祝日の場合は翌日が休館)
・入館料:大人500円、中・高校生200円、小学生以下無料
切手文化博物館の建物について
博物館は古泉閣という温泉宿の向かいにあり、建物は岩手県盛岡市にあった馬事文化資料館「稱徳館」を移築したもので、約300年前の古材を生かしながら、有力商家の土蔵を忠実に再現しています。入口にある「日の丸」に赤い横線を足したようなマークは、古い郵便局のマークです。明治18(1885)年末に内閣制が始まり、翌年から郵便局は逓信省が所管することになったのは周知のとおりです。この時、逓信省(ていしんしょう)の「テ」の字をとって、今日の郵便マークも制定されました。それ以前の太政官制の時代は、郵便局は農商務省の管轄であり、当時はこのような郵便局のマークを使用していたのです。
次のページでは、切手文化博物館の展示について見ていきたいと思います。