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宙ぶらりん。前途多難イギリスの連立政権(2ページ目)

5月6日に行われたイギリスの総選挙では、どの党も過半数がとれない結果に終わりました。そのため連立政権を組むことになるのですが、この連立はかなり前途多難なようです。

執筆者:All About 編集部


労働党とも連立できる?

選挙後のイギリスの政局を混沌とさせている要因は、自由民主党が労働党と連立する可能性まであるためです。現在の議席数は労働党258、自由民主党57であるので、これらの2党が組んでも議席数は315で過半数まではいきません。

しかし、他の小政党2~3を取り込めば過半数に到達します。過半数まで行かなくとも、議席数306の保守党は上回ります。そうなってくると、与党第一党で首相も任命している保守党よりも、野党の議席数が多くなるという難しい事態になります。

1年もたなかった前回の「ハングパーラメント」

イギリスで前回「ハングパーラメント」状態だったのは、1974年でした。このときは2月総選挙で「ハングパーラメント」になったのですが、そのときは結局1年足らず後の1974年10月に次の解散総選挙が実施されました。「ハングパーラメント」状態は1年もたなかったということです。

今回の総選挙後も、とりあえずは第一党の保守党から党首デイビッド・キャメロン氏が首相に任命され、自由民主党との連立を進めていくことになりました。しかし、自由民主党と保守党との間には政策面で大きな隔たりがあるので、この連立がどれだけ続くか安心はできません。

アイスランド火山噴火やギリシャの財政赤字問題など、イギリスの周辺では最近大変な問題が次々と起こっています。それを考えても政治的な安定はイギリスにとって大事ですが、「ハングパーラメント」になってしまったため、しばらくは不安定な政局が続いていきそうです。
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