2位 かっぱ寿司、今度はコロワイドに!
いやー、止まらないと言えば、止まらないのが、「かっぱ寿司」の迷走……。業績低迷により不採算店50店舗の閉鎖を発表したのが昨年の10月。翌11月には米穀卸「神明」主導により、「元気寿司」との業務提携契約を締結。新たな展開が期待されたのではあるが……。まぁ、この提携がうまくいくかどうかは、「かっぱ寿司」の立て直しではなく、新ブランドの確立にあるのではないかと思っていたが、案の定、「かっぱ寿司」が行った施策は『かっぱの改新』と名付けた「かっぱ寿司」の再建キャンペーン。これまでの寿司を見直し、グルメ化を図ったのだが、これが浸透することは残念ながらなかった。TVCMなども積極的に打ち、これしかない!と突き進んでみたものの、既存店の売上げは遅々として改善されず、ついには「神明」もギブアップするしかなかったようだ。
いまさらながらではあるが、「業務提携」のレベルが単なる商品購入や店舗開発、店舗運営などの内部の話にしかなっていなかったことが悔やまれる。そもそもの凋落は「安かろう悪かろう」という烙印を押されてしまったことに端を発していたので、グルメ化は必然としてもそれだけで客足が戻ると考えていたら、判断が甘かったと言わざるを得ない。なぜなら以前に「スシロー」や「くら寿司」がグルメ化路線で好調だった頃、「かっぱ寿司」も後追いで原価率を上げるなどの施策を打ったが、まったく話題にもならなかった経緯があるからだ。
例えば、持ち帰り専門店の「小僧寿し」も本業が大不振でラーメン事業に本腰を入れるなどかなりの迷走を見せているが、もう寿司では事業が成り立たないところまできている証といえよう。寿司を美味しすることに苦心しても(といってもマイナーチェンジくらいしかできないのだが)一般にはまるで響かず、新規客層を取り込むにまで至ることはない。一度ダメ出しをしたものに対して、消費者の目線はトコトン厳しい。「かっぱ寿司」がいくら「美味しくなりました!」と叫んでも、それと同じく他の回転寿司も進化しているので、「かっぱ寿司」の進化は限りなくかすんで見えてしまうのだ。
そこで外食の大手「コロワイド」の登場となったわけだが、果たしてどんな手で来るのだろうか?現在「コロワイド」は「にぎりの徳兵衛」「海鮮アトム」など5つの回転寿司ブランドを持っており、回転寿司のノウハウは十二分にあり、門外漢というわけではない。「かっぱ寿司」再生には相当に思い切った施策が必要だと思うが、まずはともかく12月17日付けで就任する新社長のお手並みをじっくりと拝見させていただこう。