/喘息薬・咳止め・ノドの薬

喘息薬の種類・作用・効果

喘息薬には大きく分けて、喘息発作が出ないようにするための薬(長期管理薬)と発作が出た時に気道を広げて呼吸を楽にする薬 (発作治療薬) があります。それぞれの違いを理解し、正しく使い分けることが大切です。

執筆者:村上 綾

喘息薬の種類

喘息薬には大きく分けて、喘息発作が出ないようにするための薬(長期管理薬)と発作が出た時に気道を広げて呼吸を楽にする薬 (発作治療薬) があります。以前は発作の治療が主体でしたが、今では喘息発作の背景に慢性的な気道の炎症があるということがわかり、発作のない時も正常な気道の状態を維持することに重点がおかれています。

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様々な種類の喘息薬

■長期管理薬
  • ステロイド(抗炎症薬)
  • 気管支拡張薬(長時間作用型)
  • 抗アレルギー薬  など

■発作治療薬
  • 気管支拡張薬(短時間作用型)

気管支拡張薬は何種類かあり、それぞれの薬に効果の発現に特徴があります。発作時にも長期管理にも使われますが、発作時はいかに早く効果を発揮できるか、長期管理薬としてはいかに長く効果を持続できるかが重要で、違いを理解して正しく使い分けることが大切です。それぞれの薬の特徴を以下で簡単にご紹介します。

長期管理薬

■ステロイド 
炎症を抑える作用をもち、気道の炎症を抑えます。長期管理薬の基本で、副作用の少ない吸入タイプのステロイドが一般的です。

代表的な薬はフルタイド、キュバール、パルミコート、オルベスコ、アズマネックスなど。

■気管支拡張薬(長時間作用型)

気管支を広げて正常な気道の状態を維持します。β2刺激薬とテオフィリン薬の2つの種類が挙げられます。

  • β2刺激薬
    気管支を広げます。この薬だけでは気道の炎症を抑える効果がないのでステロイドと一緒に使います。最初からステロイドと一緒になっている薬もあります。錠剤や吸入、テープ剤など様々な剤形があります。
    代表的な薬はメプチン、スピロペント、セレベント、オンブレス、ホクナリンテープ、アドエア、シムビコート(ステロイドとの合剤)など。
     
  • テオフィリン薬
    気管支を広げるだけでなく、炎症を抑える作用もあります。しかし、有効治療域がせまいので一般的にはβ2刺激薬のほうがよく使われます。
    代表的な薬はテオドール、ユニフィルLA、テオロング、スロービットなど。

■抗アレルギー薬
アレルギー性の炎症を抑えます。抗アレルギー薬の中でもロイコトリエン受容体拮抗薬と呼ばれる薬が、喘息に対して優れた効果があるためよく用いられます。

  • ロイコトリエン受容体拮抗薬
    代表的な薬はオノン、シングレア、キプレスなど
     
  • その他の抗アレルギー薬
    代表的な薬はインタール、リザベン、ザジテン、ベガなど

発作治療薬

■気管支拡張薬(短時間作用型)
気道を確保することが目的です。

  • β2刺激薬
    狭くなった気道を早く広げるために使います。
    代表的な薬はメプチンエアー、サルタノールインヘラー、シムビコート(ステロイド合剤)など。
  • テオフィリン薬
    気道を広げる薬で、β2刺激薬でも症状が改善しない場合に服用します。長期管理薬のテオフィリン薬とは異なり、早く効くタイプのものを使用します。
    代表的な薬はネオフィリンなど。

上記以外にも喘息に使う薬があり、喘息の重症度によって使う薬や使用方法が異なります。詳しくは医師、薬剤師に確認してください。

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