1.インプットからアウトプットへ
勉強は覚えることだけでなく、思い出すことも重要。
では、思い出す練習をするにはどうしたらよいかというと、たくさんの問題集、本番直前ならば過去問を解けばよいのです。
せっかくこれまで勉強してきても、本番で力が発揮できなければ意味がありません。今までインプットして身につけてきた知識や技能を、本番で100%発揮するには、過去問を解くに限ります。
そのときに気をつけたいのが、次の3点です。
・途中の計算式をしっかりと書く
・選択問題は消去法で解く
・英語や国語は本文の重要な箇所に線を引く
1つ目の「途中の計算式をしっかりと書く」ことは、計算ミスを防ぐためとても重要です。時々、「試験は時間制限があるから途中の式を書いている余裕はない」と言って、途中の式を書かない子がいますが、本末転倒です。あせって解いて、計算ミスをしてしまっては元も子もないからです。入試では、解くからには多少時間がかかっても正解にたどり着かないと意味がありません。計算ミスのようなケアレスミスも、間違いであることには変わりないからです。
2つ目の「選択問題は消去法で解く」ことは、安定して点数をとるためにとても重要です。選択問題だからと言って勘に頼っていると、点数にムラが出てしまいます。模擬試験や予想問題では合格圏内にいたのに、本番で失敗して不合格になる子によくあるケースです。
選択問題では、まず「明らかに違うな」と自信を持って消せる選択肢を消します。こうすることで、選択肢が4つだったら、3つ、2つへと減らすことが出来ます。いきなり正答を見つけられなくても、このように選択肢を絞っていけば、正解する可能性はぐっと高くなります。
3つ目の「英語や国語で本文の重要な箇所に線を引く」ことは、本番で焦らないためにも重要です。英語も国語も、長文読解の問題は、本文から答えを探してくる教科と言っても過言ではありません。長い文章を読んでいると、どこに何が書かれているかがわからなくなることがあります。入試ならば、プレッシャーもあってなおさらです。
しかし、重要な部分に線を引いておけば、設問を読んだとき長文のどの部分を読めばよいのかがすぐわかります。時間の節約にもなりますし、焦ってケアレスミスする可能性も減ります。
2.英数国中心から理社中心へ
数学や英語は、積み重ねの教科と言われています。例えば、数学の関数と図形が複合した問題では、当たり前ですが関数と図形に関する基礎的、基本的な力が必要となります。中でも、関数については、方程式の力も必要となります。その方程式には、正の数・負の数の計算と文字式の計算が必要となります。
英語も同様で、長文読解や英作文は、英単語や文法の知識が必要です。
このように、数学や英語のような積み重ねが必要な教科は、本番直前に少し勉強したくらいでは力はつかないのです。
一方で理科や社会は、それほど積み重ねを必要とはしません。植物の体のつくりと働きと、火山と地震は全くといってよいほど関係はありませんし、鎌倉時代や室町時代と、ヨーロッパの地理はあまり関係ありません。中には多少関係する部分もありますが、数学や英語と比べるとその度合いはずいぶん低くなります。
本番まで100日を切ったら、理科や社会といったいわゆる暗記教科と呼ばれる教科を中心に勉強するのがよいでしょう。
3.夜型生活から朝型生活へ
本番近くになると、「もっと勉強しなくては」と思って、睡眠時間を削ってでも勉強しようとする子がいます。しかし、これは逆効果です。記憶の定着には睡眠が関係していることがわかっています。勉強してしっかりと眠ることで、勉強したことがらが頭の中で整理されます。ですから、睡眠時間を削って勉強することは、知識の定着を妨げ、むしろ本番での点数を下げるためにやっているようなものです。
勉強時間を無理して増やすことよりも、これまで通り、十分な睡眠時間を確保することを心がけた方がよいのです。
また、試験は午前中から実施されるところがほとんどです。夜遅くまで勉強する習慣がついている、いわゆる夜型の生活を送っていると、本番までに十分なコンディションを作れません。朝起きられなかったり、たとえ起きられても頭がぼっとして集中できなかったりと、本番で力を発揮できなる可能性が高くなります。
早寝早起きの習慣は崩さないようにしましょう。
自信を持って本番に挑めるよう支えることが大切
このように、今から何か特別なことをやろうと考えるよりも、今できることや今すべきことに専念することが大切です。受験本番まで残り少なくなってきましたが、親としてできることは、受験生が自信を持って本番に挑めるように支えることです。ここに挙げた3つのポイントを参考にしてみて下さい。