日本の「活火山」は大丈夫なのか?
2014年9月27日に発生し、60余名の死者・行方不明者になり、戦後最大の火山被害となった御嶽山の噴火以降、日本の各地にある「活火山」の監視体制や被害防止対策に注目が集まっています。しかし「活火山」は地域によっては「観光の目玉」である場合も多く、「防災」と「経済」の狭間で自治体も難しい判断を強いられているようです。これから冬に向かう山は登山客こそ減るものの、近隣にスキー場などがある場合は、一定の制限が加えられる可能性もあります。宮城県・山形県の両県にまたがり近隣に有名なスキー場もある「蔵王山」では火山性微動が多数発生し、仙台管区気象台が注意喚起を呼びかけています。1940年以降、蔵王山では噴火こそしていませんが、昨年より火山性の地震が多発するようになり、御嶽山のような突発性の噴火の可能性も指摘されており、蔵王山近辺に行く際には、必ず火山活動の状況を確認する必要があると思います。
この他にも、本年の6月には草津白根山も火山性の地震が急激に増えたことにより、気象庁は噴火警戒レベルを1から2に引き上げていて、火口周辺には立ち入りに対する規制が敷かれていることをご存知でしょうか?また「富士火山帯」に属する小笠原近海で昨年11月に噴火した海底火山は、未だに活発な噴火活動を続けていて、今や東京ドームの15倍の面積の「新島」を形成しています。火山学の専門家は「東日本大震災の影響ではないと思われる」としていますが、歴史的に大地震発生以降列島全体の火山活動は常に活発化する、という定説もあり、油断することはできません。
ただ、御嶽山の火山被害は様々な不幸な偶然(季節・週末・昼時)が重なったために、あれほどの大きな被害になってしまったものです。たとえ噴火したとしても火口の近くにさえいなければ、火山弾も遠方には影響を及ぼすことはありません。(周辺2~3kmは注意が必要)火山の存在は温泉などの様々な恩恵も日本人に与えてくれています。過度に恐れる必要はありません。冷静にその山のリスクを分析し、危機の前兆を感じたり、目にしたりした場合は速やかに避難行動を開始する必要があります。