生活習慣病の中に存在する動脈硬化

USAのラーメン

動物性脂肪や塩分をとりすぎていませんか

“そんな”生活を送っているから病気になるんだよ、という、日々罪悪感を感じるような生活が、生活習慣病の原因です。日本での生活習慣病の定義は厚生労働省によって決められていて、「毎日よくない生活の積み重ねによって引き起こされる病気」とされています[1]。具体的に病気を並べると、糖尿病・脳卒中・心臓病・脂質異常症・高血圧・肥満となっています。そしてこれらの生活習慣病で亡くなる人は、日本人の3分の2近くに上っているのが事実です。

これら疾患に動脈硬化の文字はありません。動脈硬化は何らかの原因により、動脈硬化という現象が生じ、これを理由に脳卒中や心臓病になるという位置づけになります。つまり、脂質異常症や高血圧や肥満を原因として動脈硬化になり、そして脳卒中や心臓病になるという図式になります。

動脈硬化で病気になるとき

先に挙げた図式(糖尿病、脂質異常症、高血圧症、肥満 → 動脈硬化 → 脳卒中や心臓病)の理解を行うと、生活習慣病で亡くなる人は、動脈硬化で亡くなっていると言い換えても過言ではないとも思われます。では、いつから動脈硬化という現象が生じ、どの時点で動脈硬化性疾患、つまり病気になるのでしょうか。

死因の円グラフ

厚生労働省のホームページより[2]


答えは明快です。

動脈硬化は生まれてすぐに始まっていると考えてください。もちろん、遺伝的背景や環境により、もともと動脈硬化になりにくい人は存在します。その羨ましい存在は例外として、生まれてからすぐに動脈硬化は進み、そして動脈硬化の危険因子とされる糖尿病・脂質異常症・高血圧・肥満のいずれかが出たときに、動脈硬化という「病気」を背負ったことになります。

近年では、動脈硬化が急速に進む状態を「メタボリックシンドローム」と定義しており [3]、内臓脂肪型肥満と高血糖(糖尿病とほぼ同義)、高血圧、脂質異常のいずれか2つ以上が合わさることがメタボリックシンドロームの診断基準となっています。

心筋梗塞になるか、狭心症になるかの岐路

心臓病にも種類がたくさんあります。動脈硬化を理由として起こる心臓病は、虚血性心疾患という名前がついています。狭心症と心筋梗塞が虚血性心疾患に含まれています。そして、不整脈や心筋症、心臓腫瘍はまた別の概念になります。

虚血性心疾患を引き起こす動脈硬化は、ゆっくり進むと考えられています。何十年単位で徐々に進行してくるものだと考えてください。現に20歳代で特別な理由がなく心筋梗塞で亡くなる方は、非常に稀ですからね。

虚血性心疾患を起こす動脈は、心臓に張り巡らされている冠動脈といわれています。この冠動脈を舞台に、ゆっくり進む動脈硬化がある時点で岐路に立たされます。心筋梗塞になりますか、それとも狭心症になりますか?と囁かれるのです。

冠動脈に出来る動脈硬化は、ある血管内の環境下でコレステロールを主体とした物質が血管壁に潜り込んで引き起こされます[4]。これを粥状(じゅくじょう)動脈硬化というのですが、この動脈硬化が「柔らかい」状態だと壊れてしまうことがあります。こうして血管内で壊れると、血の塊(血栓)ができてしまい、これが心筋梗塞を引き起こします。逆に「柔らかくない」動脈硬化は、その容積が大きくなると狭心症になります。心筋梗塞は急激に起こり、狭心症はゆっくり起こっているのです。


(引用,参考文献)
[1] 厚生労働省ホームページ:
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/
[2] 厚生労働省ホームページ:
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai11/kekka03.html
[3] 厚生労働省ホームページ:
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/metabo02/kiso/question/
[4] R. Ross, The pathogenesis of atherosclerosis: a perspective for 1990s, Nature 1993;362:801-809
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項