男の腕時計

高性能の機械式腕時計が一気に身近に

2000年代を通じて機械式腕時計年々高価になり、手が届かないと感じていた人も多いはず。しかし、ここにきて近づきやすい価格で高品質、しかも通常の2倍も持続する最新の高性能ムーブメントを搭載する自動巻きモデルが登場してきたから目が離せない。そんな新しい潮流をリードするスイスのティソとハミルトンを紹介する。

執筆者:菅原 茂

約80時間持続するティソの最新鋭

時計好きにとって、著名ブランドの本格機械式腕時計は憧れの的だが、手に入れたいと思っても、やはりネックになるのは価格だろう。一般的な人気モデルが多いミドルレンジといえども手軽に買えるものとなると、やはり限られてくるのが実情だ。
ティソ ラグジュアリー オートマティック

画期的な「パワーマティック80」を初搭載して2013年に発表された「ティソ ラグジュアリー オートマティック」。ステンレススティール、ケース径41mm、自動巻き、約80時間パワーリザーブ。写真はCOSC認定ムーブメント搭載モデル10万8000万円(税込)、通常モデル8万6400(税込)から


そんな流れを大きく変えるのがスイスの老舗時計ブランドのティソだ。創業160周年の2013年に「パワーマティック80」という最新の自動巻きムーブメントを搭載する「ティソ ラグジュアリー オートマティック」を発表して、時計界にセンセーションを巻き起こしたのである。

ティソとムーブメント会社のETAが共同開発した「パワーマティック80」の優れた特徴は、動力のゼンマイや歯車の伝達機構などを改良し、一般的な自動巻きなら40時間前後のパワーリザーブを、倍の約80時間にまで伸ばした点だ。ゼンマイが完全に巻き上げられた状態で放置して約80時間連続して動き続けるので、かりに金曜日に腕から外しても翌週の月曜日にちゃんと動いているからありがたい。
ティソ チタニウム パワーマティック80

2014年最新作「ティソ チタニウム パワーマティック80」。チタン、ケース径40mm、自動巻き、約80時間パワーリザーブ。8万6400円(税込)


ティソは、このような高性能で実用的な新型ムーブメントを搭載しながら、近づきやすい価格を実現した点でも賞賛に値する。しかも2014年になって、「パワーマティック80」搭載モデルがクラシカルから、モダン、スポーティまで、さまざまなデザインのタイプが揃い、わずか1年でコレクションを充実させた。2015年以降もこの最新鋭ムーブメントを搭載する魅力的なモデルが続々と登場する見込みだ。
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