最もポピュラーな帯結びの一つ
お太鼓の部分が二重に重なったなった二重太鼓は、袋帯、しゃれ袋帯など長さが長い帯を用いての結びの中で、最もポピュラーな帯結びです(参考:
帯の種類と格)。帯が長いので、初めは扱いにくい気がしますが、慣れてしまえば比較的きれいに形作ることができるようになります。
袋帯の名称
六通柄の袋帯例
袋帯にはたれ先から手先まですべて柄がついている全通柄と、たれ先から六割だけ柄がついている六通柄があります。六通柄の場合は柄が少ない方が手先なので比較的分かりやすいのですが、全通の場合はどちらか分かりにくい場合があります。
全通柄、六通柄とも、大抵の場合はたれ先にわかりやすい線や織柄が入っていますが、入っていない場合は、例えば結んだ時のお太鼓の部分の柄の上下、正面にくる柄の出具合など、柄の具合を見て決めます。いずれにしても一度結ぶと折目がつきやすいので、ちゃんと確認するようにして下さい。
準備するもの
- 帯
- 帯揚げ
- 帯締め
- 帯板
- 帯枕(厚めのもの)
- 仮紐(お太鼓を作る時に一時的に使う紐。1本)
二重太鼓の結び方
帯が重い場合衿元が崩れやすいので注意
1:手の帯幅を二つ折りにして輪が外側にくるように左肩にかけ、ウエストまで取る。
袋帯の時は帯板をふた巻き目に入れる
2:胴に帯をふた巻きする。帯板は帯幅を2~3cm広げながらふた巻き目に入れる。
帯が長い分重みがかかるので仮紐は強めに
3:名古屋帯と同じように、たれを折りあげ仮紐をかける(参照:
名古屋帯のお太鼓結び)。
しっかり広げる
4:たれの帯幅を表向きに広げる。
帯の右側を伝って肩に掛ける
5:右側から肩にかけ、前に持ってきてお太鼓の大きさを決める。
ここでお太鼓の大きさが決まる
6:お太鼓の大きさは、胴に巻いた帯の下側から、たれを約8cmと帯幅分より5~6cmの長さをとる。
中表に折る
7:そこを帯山とし中表にして折る。
まわすように後ろへ持って行く
8:たれを内側にしながら後ろに回す。
後ろで重ねる
9:たれが内側になるように後ろへ持って行く。
お太鼓の部分の長さが長すぎたり短かすぎたりしないように
10:たれとお太鼓部分の2枚を後ろで重ねる。この時、たれ先よりも、お太鼓の部分の方を約10cm長めに取り、そこを帯山とする。
帯枕を入れる時にお太鼓の部分の長さが変わらないように注意
11:帯山を上から片手で持って、たれの上に枕を入れる。
帯枕は真っすぐに
12:枕を両手で持って背中に添わせるように当て、前で紐を結ぶ。この時、仮紐と帯山の間にある余分を下に下げておくこと。
ここを整えることでお太鼓の形がキレイに仕上がる
13.たれの裏側で枕の下にある余分をホームベース状に整える(参照:
名古屋帯のお太鼓結び)。
帯揚げは外れないように枕にかませると良い
14:帯揚げを掛ける(参照:
帯揚げの結び方)。
お太鼓部分の2枚がキレイに揃っているか確認
15:お太鼓の部分の両ふちを2枚きれいに揃えながら、たれ先から8cmくらいのところに手先を当てる。この時、たれ先は2~4cmくらい出しておく。
お太鼓の大きさとたれのバランスを確認
16:たれ先の下側に添うようにお太鼓の大きさを決め、残りを内側に折り上げる。
左側の手は右側の半分くらい
17:左側の手は右側の半分くらいとり、余分な手先をたれの裏側に折りこむ。
帯締めが手、胴に巻いた帯の真ん中にくるように
18:帯締めを通し、お太鼓が体に添うようにしながら前に回す。
キリっとした印象
19:帯締めを結び(参照:
帯締めの結び方)、仮紐を抜いて形を整え完成。
形良く仕上げるには
二重太鼓を形良く仕上げるには、お太鼓の重なった2枚がきちんと揃っているかがポイントです。ここが真っすぐキレイに揃っていないと、全体が歪んでしまいます。出来上がってからは修正しづらいので手順の段階で、確認しながらすすめていきましょう。