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“ダルビッシュ提言”が故障防止の新ガイド作成に影響(2ページ目)

米大リーグ機構(MLB)と米国野球連盟が18歳以下のアマチュア投手を対象にしたケガ防止のためのガイドラインの発表。その背景には、ふたりの日本人投手の影響があった。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

“ピッチ・スマート”の責任者もダルビッシュの影響を明言

このガイドラインを作るにあたり、大きな影響を与えた日本人投手が2人いる。1人は今季、開幕からサイ・ヤング賞獲得のペースで好投を続け、一大センセーションを巻き起こしながら、7月に右ヒジ靭帯損傷で離脱したヤンキース・田中将大投手。もう1人はレンジャーズのダルビッシュ有投手だ。

7月14日(同15日)の米大リーグ、オールスター戦の前日会見でダルビッシュは田中の故障を受け、投手の登板間隔について「中6日あれば炎症は全部取れる。もう1枠、先発の枠を。最低でも中5日」と持論を展開。(これだけトミー・ジョン(手術)が出ているんだから議論しないわけにはいかない」と訴えたことが全米中で話題となった。

「(彼が言うように)疲労が残っているのに投げ続けるとヒジを痛めるリスクが大きい」と“ピッチ・スマート”の責任者であるクリス・マリナック氏は、今回のガイドライン作成にダルビッシュ発言が影響したことを認めている。ダルビッシュの発言は、田中の故障がキッカケだったことを思えば、2人とも重要な役割を担ったといえるだろう。

今回のガイドラインはすぐに効果が出るものではなく、長期的な視野に立って、野球少年たちの体を守り、育てていこうとするものだ。日本球界の反応がどういうものになるかが注目される。
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