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“ダルビッシュ提言”が故障防止の新ガイド作成に影響

米大リーグ機構(MLB)と米国野球連盟が18歳以下のアマチュア投手を対象にしたケガ防止のためのガイドラインの発表。その背景には、ふたりの日本人投手の影響があった。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

近年、大物投手に相次ぐトミー・ジョン手術

MLBなどが発表した、選手のケガ防止のためのガイドラインには、ふたりの日本人投手の活躍が影響していた。

MLBなどが発表した、選手のケガ防止のためのガイドラインには、ふたりの日本人投手の活躍が影響していた。

トレード話があちこちで飛び交うGM会議(米アリゾナ州フェニックス)期間中の11月12日(日本時間13日)に、非常に重要なひとつの記者会見が行われた。それは、米大リーグ機構(MLB)と米国野球連盟が18歳以下のアマチュア投手を対象にしたケガ防止のためのガイドラインの発表だった。

ヤンキースなどで監督を歴任したMLBのジョー・トーリ副会長(74)らが発表したのは、“ピッチ・スマート”という名称のガイドライン。「近年、メジャーリーグではヒジ靭帯の故障によるトミー・ジョン手術が増えているが、アマチュア、ユースの選手の間にもその傾向が強まっている。この状況に機構として何ができるか、いろいろな分野でのスポーツ医学の専門家がガイドラインを作り、コーチ、選手、父兄が正しい方向に啓蒙するツールとして、サイトを立ち上げた。自信を持って推薦したい」とトーリ氏は胸を張った。

その内容は、カテゴリーを8歳以下、9歳から12歳、13歳から14歳、15歳から18歳と4段階に分け、細かく練習ガイドラインを設けたもの。たとえば、日本の高校生にあたる15歳から18歳では、試合に登板しない期間を年間4カ月以上設け、そのうち2,3カ月は投球練習をしないように勧めている。一日の投球数は17.18歳で最高105球。76球投げた場合は次回登板まで4日間の休養が必要としている。

近年、メジャーリーグでは、大物投手が次々とトミー・ジョン手術を受けている。日本人投手も松坂大輔、田沢純一。藤川球児、和田毅らがヒジにメスを入れた。この原因は、10代の頃の登板過多が影響しているという説もあれば、フォークやスプリットなどヒジに負担がかかる球種を多投しているからという説、また、中4日の過酷な日程で十分な回復期間が与えられていないという説もある。

>>ガイドライン作成にはふたりの日本人投手が大きく影響

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